アマゾンがライバル企業ショッピファイを提携先に変えた「6箇条」…内部文書を入手

アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(左)とショッピファイのトビアス・リュトケCEO。

アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(左)とショッピファイのトビアス・リュトケCEO。

Richard Brian/Reuters, Shopify

アマゾン(Amazon)では、ほとんどすべての社内プロジェクトにチームの行動指針の役割を果たす「テネット(信条、原則)」が存在する。アマゾンがEC事業における重要なライバル企業と見なしているショッピファイ(Shopify)と提携を結んだ際にも、テネットが設けられていた。

Insiderの既報のとおり、両社は「Buy with Prime」アプリを公開した。それに至るまでの交渉はアマゾンにとって意外にも手強く、ショッピファイはアマゾンの上手を行った。

Insiderが入手した内部文書によると、アマゾン、ショッピファイとの提携関係を構築することで、「出品者がそれを提供しないことは無責任と言えるほど、買い物客にとって抗いがたい魅力を持った、ネイティブな(すなわちショッピファイのシステムに組み込まれた)体験」の実現を目指しており、それにあたってテネット6箇条を定めていた。

具体的な項目としては、出品者の売上の向上、アマゾンプライム(Amazon Prime)と同様の配送品質、EC市場全体の「パイを拡大」することに資する2社間の協力環境の構築などがある。

文書によるとアマゾンはショッピファイを「この市場で最大のターンキーECサービスプロバイダー」と見なしており、今回の提携は同社最上層の経営チームにとって「最重要」課題だったという。

それに加えて、文書からは2社間で内部的に交わされた討議内容についても明らかになった。交渉ではショッピファイはアマゾンに対して終始、驚くほどの主導権を握っていた。緊迫した交渉は、多くの局面で、アマゾンの思惑通りに進まず、アマゾンはショッピファイとの協力を求めて大きな譲歩をしている。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み