スイスは長い間、タックスヘイブンとみなされてきた。
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- 2022年の富裕税増税を受けて、ノルウェーの富裕層が国外に流出している。
- ダーゲンス・ナーリングスリブ紙によれば、1年間で65人がスイスに移住したという。
- 彼らはタックスヘイブンであることからスイスをターゲットにした。
北欧のノルウェーが2022年、富裕税の増税を決定したことを受けて、ノルウェーで最も裕福な人々の一部がスイスに移住している。
ノルウェー政府は11月、富裕税を0.85%から1.1%に引き上げた。
ノルウェーの新聞、ダーゲンス・ナーリングスリブ(Dagens Naeringsliv)によると、470億クローネ(約9895億円)以上の資産を持つこのグループは、1年かけてスイスに移住した。
PwCのデータによると、170万クローネ(約3578万円)以上の純資産を持つ個人、または340万クローネ(約7157万円)以上の純資産を持つ夫婦は、1.1%の税金を支払わなければならない。
産業投資会社アーカーASAの主要株主で会長を務める億万長者のキェル・インゲ・ロッケ(Kjell Inge Rokke)は9月の公開書簡で、ノルウェーからスイスに移住する「難しい選択」をしたと取締役会に語ったとテレグラフ紙は伝えている。
フォーブスが推定する彼の純資産は49億ドル(約7169億円)で、ノルウェー最大の納税者だった。
スイスは税金を安くしたい富裕層にとって魅力的なタックスヘイブン(租税回避地)と考えられてきた。
PwCによると、スイスの富裕税は26のカントン(州)によって異なり、「個人純富裕税の税率は0.02%から1.03%」となっている。
スイスは、U.S. News & World Report誌の「快適な老後を過ごせる国」ランキングでトップになった。
このランキングは、世界的な調査と40代半ば以上の6100人の回答から、物価の安さ、税金、財産権などに基づいて決定された。