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- ある企業の幹部は、採用面接で候補者に「コーヒーカップ・テスト」と呼ばれる戦略を用いているとポッドキャストで話した。
- 再び浮上した2019年のポッドキャストの中で彼は「面接後にカップを運ぶと申し出ない人は採用しない」と話しており、ソーシャルメディア上で話題になっている。
- この方法はソーシャルメディア上で、「深く心を乱す社会心理的なゲーム」だと非難されている。
ある企業の幹部が、就職の面接で候補者を選別するための「コーヒーカップ・テスト」と称する面接プロセスを公開し、ソーシャルメディア上で話題になっている。「彼は就職を希望する人と心理ゲームをして遊んでいるのではないか」と一部のユーザーは非難している。
サイトマインダー(SiteMinder)のCGO、トレント・イネス(Trent Innes)は2019年、彼がまだゼロ・オーストラリア(Xero Australia)のマネージング・ディレクターだった頃にポッドキャストシリーズ「ザ・ベンチャー・ポッドキャスト・ウィズ・ランブロス・フォティオス(The Venture Podcas with Lambros Photios)」に出演し、自身の雇用戦略について意見を交わした。その中でイネスは、面接の最後にコーヒーカップをキッチンに持って行こうとする人しか採用しないと話した。
そのポッドキャストの中でイネスは、水、コーヒー、紅茶、ソフトドリンクなど飲み物を提供するため、いつも面接をする人をキッチンまで連れて行くと説明した。
「そして、飲み物を部屋に持って行き、面接を行うのだが、私がインタビューの最後にいつも見ているのは、面接を受けた人が空になったカップを元のキッチンに運ぼうとしているかどうかだ」とイネスは語った。
「スキルを身に付けたり、知識を得たり、経験を積んだりすることはできるが、結局はその人の姿勢に行き着く」と、イネスはなぜこのような些細なことに意味があるのかを対談相手のランブロス・フォティオスに話している。
「私が見出そうとしていのは、組織内で何をするにしても、超重要な最低レベルの仕事とは何なのだろうかということだ」
イネスは面接を受けた人のほとんどがカップを運ぶことを申し出たとし、申し出なかった人はごくわずかだったと当時話している。
ポッドキャストのこのエピソードは現在ソーシャルメディアで再浮上しており、ティックトック(TikTok)とレディット(Reddit)の両方でシェアされている。ユーザーの中にはイネスの戦略は操作的だと書いている人もいる。
2万4000以上の「いいね!」を獲得したこのポッドキャストに関するティックトックの動画には、あるユーザーのコメントが以下のように書き込まれた。
「ゲストとして面接に来ているのに、自分のカップを洗うのは変な感じがする。私ならおそらくカップをどうすればいいのかと聞くだろう」
別のユーザーはこうコメントしている。
「知っておいてよかった。もし雇用主がこのような心理戦を仕掛けてきたら、すぐにレッドシグナルだ。私はその場で面接を終わらせる」
このエピソードはレディットでも話題になっており、あるスレッド(掲示板)には100件を超えるコメントが寄せられている。
「その企業幹部は採用候補者を積極的に操り、飲み物を飲ませると言っていたが、すべては彼が非常に不安な社会心理的なゲームをするためだ」とそのスレッドにコメントした人もいる。
さらに、別の人はこう書き込んでいる。
「彼は自分の要求を伝えてないのに、自分の心を読まなかった人を罰するのか。クソみたいな上司だ」
イネスの雇用方法は、理論的にはは無害に見えるが、ソーシャルメディアのユーザーたちは、それは有害な労働文化のシグナルだと確信しているようだ。