27歳の移民女性が、たった5年間で約2200万円を貯蓄した4つのプロセスとは? 幼少期の凄絶体験を乗り越えて

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パーウィーン・マンダー氏は、たった数年間で15万ドルを貯蓄した。

Sukhdeep Grewal

  • 移民の両親のもとに長女として生まれたマンダー氏にとって、10万ドル以上の貯金は安心を意味する。
  • 目の前で家族が家を失いかけたことが、自分はできる限り稼いで貯金しようと思ったきっかけだった。
  • 彼女はETF投資もしながら、出費を抑えて富を築きつづけている。

パーウィーン・マンダー氏は、移民の両親のもとで長女として育った。その経験が彼女のなかでお金に対する考え方を形作った。

「幼いころから、お金がなければ権力、支配力、安全が得られないのだと思っていた」と彼女はInsiderに語る。「移民の子供たちの多くにとって、お金は希少な資源であり、生きていくために稼いで使うものだ」

現在はミレニアル世代のマネー・コーチをしている彼女も、自身の過去を振り返り、子供のころに家族が自宅を失いかけた瞬間を思い出す。その可能性を告げに銀行員が家にやって来たとき、悲惨なニュースを通訳して両親に伝えたのはマンダー氏だった。幸い、家族は家を失わずに済む方法を見つけたが、この経験が彼女の記憶から消えることはなかった。

「私にとって決定的な瞬間だった」と彼女は言う。

あの日以来、マンダー氏は自分と家族のために富を築いて、二度とあのような不安を味わないようにすると決意した。そして、たった4年で10万ドル(約1450万円)を貯蓄し、翌年にはさらに5万ドル(約730万円)を貯めた。26歳の彼女は、6桁の年収や大金の相続なしに、自力でセーフティネットを築いたのだ——お金や生活の変化について、以下のように戦略的な決定をしたのである。

1. 積極的に収入を増やした 

より多くのお金を貯めるのにベストな方法の1つは、単純にお金を増やすことである、とマンダー氏は知っていた。それを踏まえて、収入を増やす方法を探した。

その1つが、副業を始めることだった。マンダー氏は現在、移民出身の有色人種の女性に資産管理のコーチングと教育を提供するブログ「ザ・ウェルシー・ウルフ(The Wealthy Wolfe)」を運営している。「私のような見た目の資産アドバイザーはいなかった。だから、私自身がそんなアドバイザーになって、他の有色人種の女性たちが後の世代に引き継げる富を築くための手助けをしたいと思った」

マンツーマンのコーチング、成果報酬型の広告、自分のペースで学べるコースを通じて、マンダー氏の事業は年間2万5000ドル(約360万円)以上の収入をもたらしている。彼女はそのお金に手を付けず、ほとんどを高利回りの普通預金口座に預けている。近いうちに結婚式の費用と住宅購入の頭金を支払うつもりなので、簡単に引き出せるところにお金を置いておきたいのだ。

マンダー氏の本業は、フィンテック企業での顧客サービスという9時~5時の仕事だ。副業のおかげで総収入は大幅に増えたが、会社のほうでも昇給し続けている。年2回の給与査定と、肩書きが変わった際の臨時昇給を通して、給料は入社以来14%増加した。

「規定された職務外のことを任されるようになったら、それに対して正当な報酬が支払われているかどうかを確認することが重要だ」と彼女は言う。

2. 昇給しても生活レベルを変えなかった

「何でも買えるほどのお金があることはわかっているが、すべてを一度には買えない」とマンダー氏は言う。収入が増えるにつれ、それに伴って生活が贅沢になるライフスタイル・クリープの罠にはまらないようにとても気を付けた。前進しようとするうえで足を引っぱるとわかっていたからだ。

「初めて給料が上がったときは、自分へのご褒美としてコーヒーメーカーとトップスを数枚買いました」。しかしその後はすぐに通常の消費習慣に戻った。

毎月、彼女は自分のために買いたいもののリストを作り、その「不必要な」買い物用の予算として1000ドル(約14万5000円)を自分に与える。この額は収入が増えても一度も変わっていない。買い物をしようと思ったときには、予算に基づいてリストの中から何が一番欲しいかを考える。

「大事なのは買い物のタイミングだ。そして、忍耐力を持つこと。欲しいものすべてを一度に手に入れることはできなくても、少し我慢して給料数回分に分けて買うことはできる」

3. お金との関係を見つめ直した

マンダー氏にとってお金との関係は、自身の生い立ちとお金に関する幼少期の経験に根付いており、これを自覚することが貯蓄の道のりを大きく修正した。

自覚できた方法の1つは、お金について苦しかったり戸惑ったりした思い出を日記に書き、それらの思い出がお金に対する考え方に与えている影響を見極めることだったという。「お金を持っていると辛いから、自分はお金を避けていないか? 子供のころに好きなものを得られなかったから、今お金を使いすぎていないか?」

子供時代の彼女にとって、お金は希少な資源のように思えた。そのために後の人生で犯した最大の過ちの1つは、「楽しんでお金を使う心を自分から奪うこと」だった。

この点において、月1000ドルの「自由な支出」用予算が助けになっている。貯蓄の軌道を維持してくれるだけでなく、以前はお金を使うことに対して感じていた恥ずかしさがいくらか取り除かれるという。彼女は長期的にモチベーションを維持しながら、現在のお金との関係も健全であるようにしている。

マンダー氏はまた、自分の心の状態がいかに支出を左右しているかを見つめ直した。かつては、金曜日の夜になるとたいていネットサーフィンをして不要なものを買いあさっていた。「ストレスや疲労といった精神状態に振り回され、何らかの安らぎを求めていたのです」

この習慣を自覚したおかげで、すぐに改めることができた。今はその時間帯はテレビを見るなど他の気晴らしになることをして過ごし、お金を使うことなしに1週間の仕事から解放された安らぎを得ている。

4. 投資を始めてETFに投資した

お金をきちんと貯める方法を見つけたマンダー氏は、それを投資したいと思った。

彼女が今投資について知っていることのほとんどは、本などのリソース、「モア・マネー・ポッドキャスト(More Money Podcast)」や「ザ・ファイナンシャル・ダイエット(The Financial Diet)」といったポッドキャスト、カナダの投資ブログ「ブーマー・アンド・エコー(Boomer & Echo)」などを通じて独学で学んだ。初めはロボットアドバイザーを使って投資に足を踏み入れ、のちに慣れてくると自分の証券口座を開いてETF(上場投資信託)を購入しはじめた。

長い道のりを歩んできた彼女だが、今後の目標はまだたくさんある。今は、結婚式を挙げてマイホームを持つという目標に加え、退職に備えた資金を5万ドル貯めることを目指している。「繰り返しになるが、移民の家庭で育ったことの影響を理解し、それがいかに私の人生およびお金との関係を左右したかを知ることが大切なのだ」

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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