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グーグル(Google)のトップ弁護士は、9月12日に始まった米司法省との独占禁止法違反をめぐる注目の裁判について憶測を控えるよう従業員に求めた。
米司法省は2020年10月、グーグルが検索サービス市場を違法に独占し続けているとして提訴した。グーグルがiPhoneなどのデバイスやウェブブラウザのデフォルト検索エンジンとなるためにその費用を同社が支払うという契約内容が、この裁判の核心となる。
グーグルの国際情勢担当、ケント・ウォーカー。
Jacquelyn Martin
Insiderが確認したメールのコピーによると、グーグルの国際問題担当社長であるケント・ウォーカー(Kent Walker)は従業員へのメモの中で、この訴訟には「深刻な欠陥がある」と書いている。
ウォーカーはまた、裁判について話さないよう従業員に求めている。グーグルはここ数年、メールやその他のメッセージに機密情報を記載することに慎重姿勢を強めている。
ウォーカーは「社内外を問わず、この件(あるいはあらゆる訴訟)についての憶測やコメントは控えるように」とし、「当社の弁護士は詳細を把握しており、私たちは自らの立場に自信を持っている」とも綴っている。
グーグルの広報担当者にコメントを求めたが、期日までに回答は得られなかった。
ウォーカーが従業員に宛てたメッセージは以下のとおり。
従業員の皆さんへ
創業当初から、私たちの使命は世界中の情報を整理し、普遍的にアクセス可能で有用なものにすることでした。25年にわたり、私たちは役に立つ製品や体験の構築に投資してきました。私たちの成功は、長年のイノベーションと努力、そして使命への集中から生まれました。
この成功に伴い精査を受けることもありますが、それは私たちにとっては珍しいことではありません。10年以上にわたって、アメリカだけでなく世界中で規制当局の関心が高まっており、私たちは一貫して、当社のサービスが競争と消費者の両方をサポートすることを示してきました。
本日、私たちはワシントンDCで裁判に臨み、グーグル検索の提供方法に焦点を当てた訴訟から自らを守ります。私たちが当初から主張しているように、この訴訟には深刻な欠陥があります。裁判所はすでに訴訟を大幅に縮小し、当社製品のデザインに関する多くの主張を退けています。残りの主張に対しては、先週のブログ記事で私たちの主張を読むことができます。簡潔に言えば、人もプラットフォームも検索エンジンを選ぶことができ、デフォルトを変更するのは簡単です。人々がグーグルを使うのは、そうしなければならないからではなく、グーグルが役に立つからです。
この裁判が世間の注目を集め、分析が行われることを期待します。社内外を問わず、この件(あるいはあらゆる訴訟)についての憶測やコメントは控えるようにしてください。当社の弁護士は詳細を把握しており、私たちは自らの立場に自信を持っています。
私たち全員ができる最善のことは、自分たちの使命に集中し、人々の生活を向上させるのに役立つ製品を作り続けることです。この1年は、ハイテク業界にとってかつてない変化の年であり、皆さんご存知のとおり、競争は信じられないほど激化しています。私たちは裁判でそのことを証明し、今後も皆さんへの報告を続けていきます。
—ケント