ハンズオンが実施されたアップル本社のスティーブ・ジョブズ・シアター。
撮影:西田宗千佳
9月12日(現地時間)、アップルは発表会を開催し、新しいiPhoneをはじめとした新製品群を披露した。
会場となったアメリカ・アップル本社内で開かれたプレス向けイベントで、発表されたばかりの「iPhone 15」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」などを体験した。外観を中心にファーストインプレッションをお届けする。
iPhone 15はカラーだけでなく「手触り」も変わった
iPhone 15のカラーバリエーション。今回は5色。手前からピンク、イエロー、グリーン、ブルー、ブラック。
撮影:西田宗千佳
2023年もiPhoneの新製品は、サイズ・性能で4ラインに分かれる形となった。
iPhone 15はサイズで「無印」と「Plus」に分かれ、iPhone 15 Proも同様にサイズで「Pro」と「Pro Max」に分かれる。
iPhone 15はパステル調でいままでと少し異なるカラーリングになった。
色はブラック、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクの5色。キーノートの動画では分かりにくいのだが、発色も質感も大きく変わっている。
少し角がとれたアルミニウムフレームで、背面はしっとりとしたマットな手触りのガラス。色もすりガラスの後ろから見えるような印象で、かなり見栄えがいい。
ブルー。かなり淡い色彩であるのがわかる。左がiPhone 15 Plusで右がiPhone 15。
撮影:西田宗千佳
グリーン。左がiPhone 15 Plusで右がiPhone 15。
撮影:西田宗千佳
iPhone 15 Plus。カラーはグリーン。
撮影:西田宗千佳
ディスプレイは、2022年発売のiPhone 14 Proシリーズに導入されたサイズ可変の通知領域である「ダイナミックアイランド」が採用されたのが大きな変化だ。
サイズはProのものと同じで、使い勝手も同様。ダイナミックアイランド採用の製品が増え、全ラインナップに広がった結果、アプリケーションの対応拡大も期待しやすくなる。
iPhone 15 Plusのグリーンを正面から。ディスプレイ上方の「切り欠き」がダイナミックアイランドになった。
撮影:西田宗千佳
カメラはメイン(48メガピクセル、26mm、F値1.6)と超広角の(12メガピクセル、13mm、F値2.4)の2つ。メインが48メガピクセルになったため、もちろん画質は変わるだろう。ただ、デザイン上はほとんど変化がないように見える。
チタン合金の「15 Pro」シリーズ。軽くなって質感も変化
iPhone 15 Pro Maxのバリエーション。左からブラックチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウム、ホワイトチタニウム。
撮影:西田宗千佳
iPhone 15 Pro/15 ProMaxは、さらにボディデザインが大きく変わっている。
フレームの素材がチタン合金になったため、外観のイメージは15よりも変わったように感じるだろう。カラーはブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの4色。
実際に触ってみると、マット感があり、角も少し丸くなっているという意味では、「iPhone 15シリーズ全体で共通項が大きい」という印象も受けた。
iPhone 15 Pro Max。カラーはホワイトチタニウム。
撮影:西田宗千佳
iPhone 15 Pro・ブラックチタニウム。画面を覆うフレームが14 Proより細くなっている。
撮影:西田宗千佳
とはいえ、サイドが光沢のステンレスからテクスチャー感のあるチタンに変わったので、より「大きく変わった」印象があるのは間違いない。チタンのフレームにも指紋はつくのだが、ステンレスのものに比べ目立ちにくいのは間違いない。
チタン合金のフレームは、カラーリングが機種によってかなり異なる。
撮影:西田宗千佳
左がiPhone 14 Pro Maxの、右がiPhone 15 Proのフレーム。14 Pro Maxは指紋が目立つが、15 Proはしっかり触った後でもあまり目立たない
撮影:西田宗千佳
チタン合金採用による軽量化も大きい。数字上は、14 Proと15Pro、14 Pro Maxと15 Pro Maxともに19gの変化だが、これだけ違うと持てばすぐにわかる。これは個人的にも魅力的だった。
15 Proシリーズは、15 Proと15 Pro Maxでカメラの仕様が異なる。15 Proは光学3倍までのズームだが、15 Pro Maxは「5倍」になる。
会場では評価できるほど撮影は行えなかったので画質などについてのコメントは避けるが、少なくともデザイン上は15 Proと15 Pro Maxで違いはほとんどない。
Proでは「アクションボタン」で機能切り替え
iPhone 15 Proの左側に用意された「アクションボタン」(一番上)。いままでなら消音モードへの切り替えスイッチがあった場所だ。
撮影:西田宗千佳
iPhone 15 Proには「アクションボタン」が採用された。
いままでの「消音モード切り替えスイッチ」の場所に、その代替として搭載されたものなのだが、もちろん消音だけに使うわけではない。
デフォルトでは着信モードと消音モードの切り替えになっているが、カメラの起動やボイスメモ、翻訳の起動などにも使える。カメラについては「静止画か動画か」など、モードを設定しておいて起動させられるという。
「設定」の中にアクションボタンに関する項目が用意され、機能を入れ替えられる。UIも他の設定項目とちょっと異なるテイスト。
撮影:西田宗千佳
なお、サードパーティアプリの起動などは「ショートカット」機能経由で設定できる。ショートカット機能によって、家のロックを外して照明をつける、といった連携をアクションボタンでする……という使い方もできる。
ついにLightningからUSB-Cへ。「MFi認証」はなし
iPhone 15(ブルー)のUSB-C端子。位置はLightningの時代とほぼ同じで、コネクターだけが変わったように見える。
撮影:西田宗千佳
今回の大きな変化として、インターフェースが「USB Type-C(アップル表記ではUSB-C)」になったことが大きい。
iPhone 15・15 ProともにUSB-Cになり、下部のインターフェース部はLightning端子ではなくなった。
ただ、15と15 Proでは、USBインターフェースの仕様が異なる。15は「USB 2.0」ベースなので転送速度は480Mbpsまで。15 Proは「USB 3※」なので、最大10Gbpsでの転送ができる。
※「USB 3」はアップルによる表記。USBの規格を策定するUSB Implementers Forumでの最新の表記は「USB 10Gbps」(旧:USB 3.2 Gen2、USB 3.1 Gen2、USB 3.1など)。本稿では記事の性質上、アップルの表記に揃えている。
iPhone 15 Pro(ブラックチタニウム)のUSB-C端子。こちらはUSB 3対応なのだが、外観では違いはわからない。
撮影:西田宗千佳
ただし、双方のモデルで付属するのは同じ「USB 2.0」対応のケーブル。15 ProでUSB 3での転送を行いたい場合、サードパーティーからUSB 3対応のケーブルを別途購入する必要がある。
Lightningケーブルには、iPhone向けに作られてアップルの技術規格に準拠したものであることを認証する「Made for iPhone(MFi)」と呼ばれる認証があり、アップルのライセンスを受けないアクセサリーは正しく動作しない可能性があった。
だがUSB-Cへの移行に伴い、ケーブルについてはMFi認証はなくなった。広く普及しているケーブルがそのまま使える。
Apple Watchは中身が進化、「ダブルタップ」ジェスチャーも
Apple Watch Series 9(左)とApple Watch Ultra 2(右)。
撮影:西田宗千佳
今回はApple Watchもリニューアルしている。
特に「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」には、新しいSoCである「S9」と、より最高輝度の明るいディスプレイが採用された。
特にこの2機種では、10月のアップデートによって「ダブルタップ」というジェスチャーが使えるようになる。動画をご覧いただきたい。
ダブルタップでApple Watch内のアプリが切り替わる。Apple Watch Series 9とApple Watch Ultra2で、10月以降のアップデートにより機能が追加される。
撮影:西田宗千佳
指をパチパチと合わせることで、電話に出たりアプリを切り替えたり……という操作ができる。とても簡単で精度も高い。
ただ、この機能を使うときには「Apple Watchのバンドをしっかりと締めて手首に密着させる」ことが推奨されている。ルーズめにつけている人は、少し強めに締めるよう気を付ける必要がある。