AIブームのマーケティング業界。一方、バーチャルインフルエンサーはどうなった?

ai-influence-digiday_eye

※この記事は、ブランディングを担う次世代リーダー向けのメディアDIGIDAY[日本版]の有料サービス「DIGIDAY+」からの転載です。

ジェネレーティブAIブームの魅力にすっかりやられてしまった広告業界。エージェンシーもプラットフォームも、マーケターを夢中にさせる新たなツールづくりと可能性の開発に余念がない。

しかしながら、どうやらバーチャルインフルエンサーは人気を失ったようだ。Web3やメタバースの台頭で、2022年後半までは引く手あまただったのだが。

バーチャルインフルエンサーとはコンピュータで生成されたSNSのキャラクターを指し、デジタルスーパーモデルのシュドゥ・グラム(Shudu Gram)やロボットラッパーFNメカ(FN Meka)、特にリル・ミケイラ(Lil Miquela)といったバーチャルインフルエンサーは、そのリアルさで話題を呼んだ。

2010年代から徐々に話題

ミケイラのマネジメントは、ロボティックスとAIに特化したクリエイティブエージェンシー、ブラッド(Brud)が行っているが、エージェンシーやブランド経由でマネージャーがついているのが一般的だ。こうした模造インフルエンサーはたいてい有名人と一緒に登場し、製品のプロモーションを行ったり、現実のSNSユーザーのふりをしたりする。

広告主はすっかりこうしたキャラクターに心を奪われ、業界はインフルエンサーマーケティングのネクストブレイクとして強く推した。2010年代半ばから注目が高まると、その数年後には、有形のブランド取引で全盛を極めたようだ。たとえばミケイラは、2016年にローンチしてから、プラダ(Prada)やパクサン(Pacsun)、カルバン・クライン(Calvin Klein)といったファッションブランドと契約を結んでいる。

カルバン・クラインとの取引では、ミケイラがモデルのベラ・ハディッド氏とキスするキャンペーンを展開した後、同ブランドは苦境に立たされた。ニューヨークタイムズ(The New York Times)は、多くの人にとってはまったく現実的でなく、不快感さえ与えるものだと断じている。

擬似SNSスターの人気は下火に

あわせて読みたい

Popular