頓挫したメタのステーブルコインは「理想を追求しすぎた」。元責任者が新会社で目論む構想とは

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仮想通貨(暗号資産)の創業者たちはこれまで何年もの間、実現味に欠ける計画を立ててはそれを売り込むということを続けてきたが、最近では多少、現実的なものになってきた。

それはおそらく市場環境のせいだろう。投資家は、金利が低いときは不信感を保留しようとする傾向があるものだ。あるいは、この業界では名の知れた悪役のおかげかもしれない。いずれにせよ、残った者たちが世界を席巻する見込みは、もはやない。

デビッド・マーカスが良い例だ。

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メタのステーブルコインプロジェクトの責任者を務めていたデビッド・マーカス。

Alex Wong/ Getty Images

かつてペイパル(PayPal)の社長を務めたマーカスは、失敗に終わったメタ(Meta)のステーブルコインプロジェクトの責任者だった。短命に終わったこのプロジェクトは、一時期は「Libra(リブラ)」「Diem(ディエム)」などの名で知られていた。世界の金融システムにおける主要通貨になることを最終目標にしていたが、今にして思えば野心的すぎたとマーカスは認める。

マンハッタンのダウンタウンにあるアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)のオフィスで記者団の取材に答えたマーカスは、当初のアイデアがいかに「理想を追求しすぎた」ものであったのか、説明した。

「世界規模で決済を行うために単一の中央集権型ステーブルコインに依存すれば、私たちが直に経験したような問題が生じる」(マーカス)

現在、マーカスはスタートアップ企業ライトスパーク(Lightspark)を創業。金融システムの中で活動している——つまり、ビットコイン上に構築しており、政府や現地通貨と連携しているが、これらを代替するものではない。すでにアンドリーセン・ホロウィッツやパラダイム(Paradigm)といった有名ベンチャーキャピタル(VC)を含む投資家らから、1億7500万ドル(約254億円、1ドル=145円換算)を調達している。

メタの仮想通貨プロジェクトはなぜ失敗したのか

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