「亀裂が生じつつある」とJPモルガンは景気後退リスクを警告。ポートフォリオを守る2つの投資対象とは?

アメリカ経済には警告サインが出始めているとJPモルガンは見ている(写真は、ニューヨーク証券取引所のトレーダーたち)。

アメリカ経済には警告サインが出始めているとJPモルガンは見ている(写真は、ニューヨーク証券取引所のトレーダーたち)。

Andrew Burton/Getty Images

この夏、アメリカ経済が高金利に直面しつつも、概ね底堅い動きを見せたことから、投資家の間ではソフトランディングへの期待が高まっている。だが、JPモルガンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マルコ・コラノビッチ( Marko Kolanovic)の意見は違う。

コラノビッチ氏は13日の顧客向け文書で、アメリカ経済が危機に瀕する可能性があるという警告サインが出始めていると述べた。

「アメリカ雇用市場や中国の経済指標には矛盾するものもあるが、我々は、亀裂が生じつつあり、景気サイクル終了の懸念が正当化されるとの確信を深めている」

コラノビッチ氏は、現在生じつつある数多くの亀裂を強調した。

ひとつは、クレジットカードや自動車ローンの延滞の増加で、消費者が経済的に弱くなっていることを示している。もうひとつは、国債のイールドカーブが依然として反転していることで、短期国債の利回りが長期国債の利回りを上回っている。3カ月債利回りと10年債利回りの逆転、いわゆる「逆イールド」は1960年代から誤ったシグナルを出すことなく、景気後退に先行している。さらに、巨額の財政赤字のために世界中で財政刺激策への意欲が低下しており、中国の景気減速リスクもある。

製造業も減速していることは購買担当者調査から明らかだ。一般によく知られている米供給管理協会(ISM)の購買担当者景気指数(PMI)は依然として縮小水準にある。JPモルガン独自の購買担当者指数は6月以降、毎月低下を続けている。

「総合的に見て、8月のPMIの水準は我々の予想と一致しているが、4カ月連続の低下は、過去1年の急激な金融引き締めに対する反応の遅れに関連したダウンサイドリスクを強調している」

またJPモルガンは顧客向け文書で、顧客アンケートの結果を発表した。

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