「4万2900円のホットプレート」は低迷するバルミューダの救世主になるか…その機能性を探る

ステーキ

「家でこだわりのステーキを焼く」のに適したホットプレートがバルミューダから登場する。

撮影:小林優多郎

バルミューダは9月14日、新型ホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」を発表した。10月12日から発売開始で、直販価格は4万2900円(税込)。

トースターやコーヒーメーカー、炊飯器などを展開するバルミューダだが、ホットプレートを展開するのは今回が初めて。

ホットプレートの店頭価格はざっくり1〜2万円という価格帯が多いなか、4万円超というのはバルミューダらしい価格設定だ。

他社に見ない特徴とブランド付加価値を価格転嫁するという、バルミューダの王道的な戦略の製品になっている。

6.6mmの分厚いプレートと制御技術で「正確な温度」を実現

BALMUDA The Plate Pro

「BALMUDA The Plate Pro」は6.6mmの分厚いプレートが目をひく。

撮影:小林優多郎

The Plate Proの最大の特徴は「指定した温度に誤差5度以内の正確さで加熱し続けられること」にある。

その正確さを実現しているのが、製品を見るとまず目に飛び込んでくる幅380mm、奥行き245mmの大きな無骨なプレート、そして独自の熱制御技術だ。

プレートの方は、厚さ6.6mmの合板で、表面と背面にそれぞれ厚さ0.8mmのステンレスで厚さ5mmのアルミニウムを挟んだ構造をしている。

比嘉一真氏

商品担当の比嘉一真氏。

撮影:小林優多郎

バルミューダでThe Plate Proのデザインおよび商品担当を務める比嘉一真氏は14日の発表会で「一般的なホットプレート(のプレート)は約3mmのアルミニウムでできていて、食材を入れた途端に温度が下がってしまい、煮えたような焼き上がりになる」と説明。

The Plate Proの場合は、熱伝導性の高いアルミニウムで熱を全体に伝導させつつも、高い蓄熱性を持つステンレスで急激な温度の変化を抑えられる、というわけだ。

なお、バルミューダは、設定した温度に達する余熱時間を「13分ほど」としている。1万円程度の安価な製品でも余熱時間は同程度の製品もあり、特に時間がかかるというわけではなさそうだ。

厚さ比較

写真上部がアルミ3mmのホットプレートの断面。下がBALMUDA The Plate Proのプレートの断面。

撮影:小林優多郎

さらに、もう1つの強みであるバルミューダの熱制御技術が生かされている。

プレートの表面温度を測るセンサーと熱を制御するICが入っているが、この温度制御に関し「トースターやコーヒーメーカーで培ったノウハウが生きている」(バルミューダ説明担当者)。

設定した温度より表面温度が下がったら加熱する、だけではなく、温度変化の傾向から予測した上で制御をしている点が「誤差5度以内」を実現している肝となる。

ポップ

温度管理と設定できる温度の種類。

撮影:小林優多郎

The Plate Proはクレープなどに向く160度、餃子向きの180度、ソテーなどに向く200度、焼肉に向く220度の4段階の温度が指定できる。

筆者は普段料理をする頻度が高くなく、例えばクレープ焼きで生地を焦がす手痛い失敗をした経験があるが、発表会場でクレープ焼きを体験してみたところ、焦げ付きがほとんどないことに驚いた。

これは鉄板の清潔さに加え、正しい温度制御により熱しすぎもしくは制御不足による意図しない焦げ付きを抑えた結果だと説明員は話していた。

クレープ

会場にはプロのシェフから、バルミューダのスタッフやゲストまで複数人がクレープを焼いていたが、放置しない限りは焼けこげなどがほとんどなかった。

撮影:小林優多郎

なお、プレートはフッ素加工はされておらず、金たわしで洗うことができる。6.6mmのプレートは正直他の競合製品よりかなり重いのだが、重ささえクリアーできれば、凹凸のない構造故に洗いやすさそうだった。

また、蓄熱性を重視してステンレスを採用した結果、使い終わった後、洗い始めるまで温度を下げるには「(最高の220度からは)1時間程度を見てほしい」(同説明員)とのことだった(表面のフッ素加工はないため、水で冷やすこともできるが、跳ね返った水などで火傷の危険があるため、メーカーとしては非推奨)。

目盛り

温度設定をする目盛り。目盛り付近にあるLEDが点滅中は温度上昇、点灯中は指定した温度になっていることを示す。

撮影:小林優多郎

電熱線

プレートを外した際の電熱線。下の油受けも外して水洗いできる。

撮影:小林優多郎

付属のヘラ

専用のヘラが1つ付属する。ヘラには肉の厚さを測るのに便利な目盛りがついている(バルミューダはステーキなら2cmを推奨している)。

撮影:小林優多郎

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