ダニー・マイヤー氏。
Scott McDermott
- レストラン経営者として世界的に有名なダニー・マイヤー(Danny Meyer)氏によると、ニューヨークでは今、「午後6時の予約」が「最も価値ある時間帯」になっているという。
- シェイクシャックの創業者でもあるマイヤー氏のこの指摘は、今の状態がしばらく続くことを示唆している。
- マイヤー氏はこの変化の原因を3つ挙げていて、リモートワークの普及による社会的孤立もその1つだという。
「ビシッとしたパンツ」や「毎日の通勤」のように、「午後8時からのディナー」もコロナ禍を機に過去のものになりつつあるようだ。
「午後6時のディナーの予約はいつ、新たな最も価値ある時間帯になったのだろう? これは続くのだろうか? 」とレストラン経営者として世界的に有名なダニー・マイヤー氏は9月20日、X(旧Twitter)に投稿した。
ディナーの予約が早まるだろうとの見方は、パンデミックの早い段階から示されていた。レストランの予約サイトを運営するオープンテーブル(OpenTable)の当時のCEOで、業界に詳しいスティーブ・ハフナー(Steve Hafner)氏も2020年のInsiderのインタビューでそのように語っていた。
そして、今からちょうど1年前、ニューヨーク・タイムズ・マガジンは"夕方のディナー"の意外なファッション性を指摘し、7月にはウォール・ストリート・ジャーナルが"夕方のディナー"に驚かされた夜型人間の嘆きを伝えていた。
今回、興味深いのはマイヤー氏がそれを投稿したことだ。マイヤー氏はシェイクシャックの創業者で、「Gramercy Tavern」や「The Modern」といったニューヨークの人気レストランをいくつも持っているユニオン・スクエア・ホスピタリティ・グループ(USHG)の会長だ。
マイヤー氏のレストランがコロナ禍で受けた打撃から回復していく中で、いくつかの大きなトレンドが当面のビジネスを変えているようだ。
ディナーの予約が早まっていることについて、マイヤー氏は変化の原因を3つ挙げている。
「在宅勤務が社会的孤立に寄与している。レストランのバーや座席がこれまでになく早く埋まるようになったのはそのためだ」とメイヤー氏は指摘した。
同氏はまた、仕事とプライベートの時間の境目が不明瞭になったため、早めに家に帰って仕事のメールに返信したり、「24時間ひっきりなしの」仕事を仕上げなければならない人が増えているとも指摘した。
さらに、同氏は「家に帰って楽しみたいエンタメコンテンツがこれまで以上に増えている」と指摘した。これはネットフリックス(Netflix)がレストラン業界に与えたもう1つの異なる効果とも言えるものだ。
マイヤー氏と同氏が経営するレストランがニューヨークにあることも重要なポイントだ。ニューヨークはもともと、夕食を取る時間がアメリカの他の場所に比べてかなり遅い(アメリカの平均的な夕食の時間は午後6時22分頃だ)。
「ニューヨークの人々にとっては、8時が人気の時間帯でした」とインド料理店「Dhamaka」の共同オーナー、ロニ・マズムダール(Roni Mazumdar)氏は2022年、ニューヨーク・タイムズに語っていた。
「このトレンドはあと5年以上は続くだろうと見ています」