NASAのOSIRIS-RExはは7年前に打ち上げられ、小惑星ベンヌのサンプルを搭載して地球に帰還した。
United Launch Alliance via NASA
- NASAの探査機OSIRIS-RExによって採取された小惑星サンプルが、9月24日にユタ州の砂漠に着陸した。
- この着陸で、NASAの史上初の小惑星サンプル採取ミッションが終了したことになる。
- 小惑星ベンヌから採取された岩石と塵は、今後何世紀にもわたって科学者たちの役に立つだろう。
2016年、NASAは小惑星からサンプルを採取するアメリカ初のミッションとして、OSIRIS-REx(オサイリス・レックス)を打ち上げた。
そして7年後、この歴史的ミッションは終わりを迎えようとしている。OSIRIS-RExのサンプルカプセルは、9月24日の朝、アメリカ・ユタ州の砂漠に着陸した。カプセルは2020年に小惑星ベンヌから探査機が収集した岩石と塵のサンプルを持ち帰った。
これらのサンプルは、数世紀後に誕生する科学者たちにも研究され、有用であることが証明されるだろう。
「これらのサンプルは、数週間、数カ月、数年、数十年、あるいは数世紀にわたって分析されるだろう」と、NASAの研究宇宙科学者であるノア・ペトロ(Noah Petro)はInsiderに語った。
というのも、科学者たちは数十億年前の地球で生命がどのように発達したかをよりよく理解するために、有機物やアミノ酸(タンパク質の構成要素)をサンプルとして探すからだとペトロは言う。
OSIRIS-RExのプロジェクト・マネージャーであるリチャード・バーンズ(Richard Burns)は9月22日の記者会見で、有機物を見つけることは誰もが望んでいることだが、それは少し「望み薄」かもしれないと語った。
「本当にエキサイティングなのは、ペプチドと呼ばれる鎖を形成するためにアミノ酸が結合し始めた証拠が見られることだ。それは生命の起源に向けて、タンパク質の進化が起こった可能性を示唆するものだ」とバーンズは語った。
OSIRIS-RExの主任研究者であるダンテ・ローレッタ(Dante Lauretta)は記者会見で、研究者たちがベンヌに狙いを定めたのは、小惑星の粘土に炭素と水が閉じ込められていると考えたからだと語った。
しかし、OSIRIS-RExのミッションはチームにとって順風満帆だったわけではない。探査機が最初にベンヌのサンプルを採取した直後、コンテナのバルブが、中に入っているサンプルの量が多すぎてうまく閉まらなくなった。その結果、ダストが漏れ出したとInsiderは以前報じた。
チームは、重さを量るという当初の予定を変更して、サンプルをそのまま帰還カプセルの中に保管することを余儀なくされた。
「最初の成功が仇となるところだった」とローレッタは当時話していた。