記者団に囲まれるケビン・マッカーシー米下院議長。2023年9月22日。
J. Scott Applewhite/AP Photo
- モルガン・スタンレーのエコノミストによれば、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを一時停止する可能性があるという。
- 政府機関の閉鎖が、中央銀行から重要な経済指標を奪う可能性があるからだ。
- 「不確実性は政策の麻痺につながる傾向がある」とエレン・ゼントナーは述べた。
モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)のアメリカ担当チーフエコノミストによれば、政府機関の閉鎖が迫っており、連邦準備制度理事会(FRB)がインフレとの戦いを一旦休止する可能性が高まっている。
エレン・ゼントナー(Ellen Zentner)は9月22日、ワシントンの政治的行き詰まりによって政府機関が毎月の非農業部門雇用者数のような重要な経済指標を提供できなくなれば、中央銀行が11月に再び利上げを行う可能性は低下するだろうと述べた。
「金融政策決定において、不確実性は政策の麻痺につながる傾向がある」と、彼女はブルームバーグのポッドキャスト「What Goes Up」で語った。
「政府機関が完全に閉鎖されれば、政府機関のデータは何も得られない」と彼女は付け加えた。
「FRBが公式に牙を剥くことができるデータがないのであれば、金利の方向性について決断を下すことができなくなる。FRBのレンズは曇ってしまう」
共和党の強硬派は歳出抑制を要求しており、予算案がまとまらなければ来週末に議会は閉鎖される。つまり9月30日の午前0時までに合意に至らなければ、数百万人の連邦職員が一時帰休となるのだ。
FRBはさらなる利上げでインフレ率を押し下げるか、それともアメリカの労働市場を下支えするために引き締めキャンペーンを打ち切るかを検討しており、今回の政府機関の閉鎖はFRBの政策決定能力に支障をきたす可能性がある。CMEグループのFedwatchツールによると、トレーダーの約40%が中央銀行が年内に借入コストを再引き上げすると予想している。
FRBが利上げを見送ることは、投資家にとっては喜ばしいことだろうが、ゼントナーは、政府機関閉鎖の悪影響によって、景気浮揚効果が打ち消される可能性があると警告している。
ゼントナーによると、アメリカのGDP成長率は、政府閉鎖が1週間続くごとに0.2%ポイント低下するという。