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- VISA・マスターカード・JCB・アメックスといった主要国際ブランドなら、海外でも問題なくクレジットカードを使える。
- 年会費が無料のクレジットカードでも保険や優待が用意されており、利用にあたって不便がない。
- 使えないときの対処法や手数料に関する知識を深めておくことで、損もなく安心安全に海外旅行を楽しめる。
海外旅行でクレジットカードを使うなら、もしものときの怪我や病気に備えられる「海外旅行傷害保険」が付帯するカードを選ぶと安心だ。
また、海外利用手数料がお得なクレジットカードを選ぶことで、可能な限りコストを抑えられる。Visaやマスターカード、JCBといった主要な国際ブランドであれば海外でも利用可能だが、使えないときは有効期限切れや磁気不良などが原因かもしれない。
安全でお得に、海外旅行を心から楽しむためにも、本記事で紹介するおすすめのクレジットカードを検討しつつ、出発前に知っておくと役立つポイントを押さえておこう。
海外旅行で使えるクレカおすすめ3選
海外旅行で使える年会費永年無料のおすすめクレジットカードは、以下の3枚。
いずれも海外で怪我を負ったり病気を患ったりした際に適用される「海外旅行傷害保険」が付帯している。
一部のクレジットカードには外国の旅をサポートするサービスがついており、コスト0円のカードでも安心安全に利用できるだろう。
1. エポスカード:海外旅行中に日本語サポートを受けられる
出典:エポスカード
エポスカードは、シンプルなデザインで誰でも持ちやすい縦型クレジットカード。国際ブランドが世界的にシェア率の高い「Visa」なので、海外旅行でも使える店舗が多い。
また、最高500万円までの海外旅行傷害保険が付帯しており、渡航先での怪我や病気はもちろん、携行品の盗難・破損なども補償される。
2023年10月1日からは海外旅行傷害保険のサービス改定に伴い、補償額が最高3000万円に大幅アップ。ただし、海外旅行のツアー料金や交通費などを対象カードで支払わなければ保険が適用されない「利用付帯」になる点に注意が必要だ。
このほか、ヨーロッパ・北米・ハワイ・アジア・ミクロネシア・オセアニアを中心に、世界38都市の現地デスクで多彩な海外サポートを受けられるサービスも。現地の最新情報から観光・交通機関、ホテル、レストラン、空港まで、さまざまな問い合わせに日本語で対応してもらえる。
航空券・レンタカー・ホテル・レストランの予約、リムジン送迎・観光ガイド・イベントチケットの手配、現地観光ツアーの案内などもお任せできるので、海外旅行がより楽しく快適になるだろう。さらに、パスポートの紛失や盗難、事故やトラブルが発生した際の警察・医療機関・保険会社への手続きといった緊急事態にも、臨機応変に対応してもらえるのが心強いポイントだ。
エポスカードの詳細スペック
年会費 本会員:永年無料 追加カード ETCカード 電子マネー・スマホ決済 Apple Pay
Google Pay
EPOS PAY
楽天Edy
PayPay
d払い
楽天ペイ
モバイルSuica発行スピード 最短即日~約1週間 ポイント還元率 0.5%~ ポイント利用先(例) エポスVISAプリペイドカードに移行
商品券やマイルに交換
マルイのネット通販や店舗でのショッピング割引 など国際ブランド Visa 付帯保険 海外旅行傷害保険:最高3000万円 付帯サービス 世界38都市の現地デスクで日本語サポート
利用通知メール
1万店舗の優待特典
マルイのネット通販や店舗で年4回何度でも10%オフ
会員専用のチケット優待などタッチ決済 対応 ナンバーレスカード あり(裏面記載あり) 不正利用補償 あり マイル移行先 JAL・ANA 入会資格 満18歳以上(高校生不可)
日本国内に居住している方
2. JCBカード W:海外利用でもポイントが2倍でお得
出典:JCBカード W
JCBカード Wは、日本国内でも海外でも獲得できるポイントがいつでも2倍となっており、海外旅行中もポイントを貯めやすいクレジットカードだ。5大国際ブランドと呼ばれるうちの1つ「JCB」が国際ブランドなので、海外旅行の際も不自由なくショッピングできる。
年会費が永年無料でありながら、最高2000万円の海外旅行傷害保険(※3)、さらに最高100万円の海外ショッピングガード保険が付帯。万が一の怪我や病気をサポートしてもらえるほか、旅先で購入した商品が破損したり盗難されたりしても、購入日から90日前にさかのぼり補償してもらえる。
ただし、本カードで旅費等を支払うことで保険が適用される「利用付帯」となっている点に気をつけよう。また、海外旅行に特化した付帯サービスや優待特典はほとんどなく、空港ラウンジの無料利用やホテルサービス等に着目するなら「JCBゴールド」のほうが満足できるかもしれない。
とはいえ、保有コストのかからない年会費永年無料のクレジットカードで、最高2000万円(※3)と高額な海外旅行傷害保険が付帯するのは大きなメリットだ。申込対象は18歳から39歳までに限定されているため、特に海外旅行が好きな学生に検討して欲しい。
JCBカード Wの詳細スペック
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年会費 本会員:永年無料
家族会員:永年無料追加カード 家族カード
ETCカード
QUICPay電子マネー・スマホ決済 Apple Pay
Google Pay
QUICPay発行スピード デジタルカード番号は最短5分(※1)
カード到着は申込から約1週間ポイント還元率 1.0~5.5%(※2) ポイント利用先 Amazonでの買い物
キャッシュバック
スターバックスカードへのチャージ国際ブランド JCB 付帯保険 旅行旅行傷害保険:最高2000万円(※3)
ショッピングガード保険(海外):最高100万円付帯サービス 使いすぎアラート
次回お支払い額不足通知
多彩な公演のチケット先行受付や割引 などタッチ決済 対応 ナンバーレスカード あり 不正利用補償 あり マイル移行先 JAL・ANA・デルタ航空 入会資格 18歳以上39歳以下(高校生不可)
本人または配偶者に安定収入がある方キャンペーン 最大13000円キャッシュバック ※1 モバ即(最短5分)の入会条件は、【1】9:00AM~8:00PMでお申し込み(受付時間を過ぎた場合は、翌日受付扱い)、【2】顔写真付き本人確認書類による本人確認(運転免許証/マイナンバーカード/在留カード)となります。モバ即での入会後、カード到着前の利用方法について、詳しくはHPをご確認ください。※2 最大還元率はJCB PREMO(or nanacoポイント)に交換した場合。
※3 事前に「搭乗する公共交通乗用具」または「参加する募集型企画旅行」の料金をお支払いになった場合、海外旅行傷害保険が適用されます。
3. 楽天カード:海外旅行に役立つ優待特典が豊富
出典:楽天カード
楽天カードは、海外利用できるVisa・マスターカード・JCB・アメックスの4つの国際ブランドに対応。ポイントを貯めやすく、セキュリティ対策も万全な汎用性の高いカードだ。
海外旅行に勧められる理由としては、最高2000万円の海外旅行傷害保険が付帯しているほか、海外利用に特化した優待特典が揃っていること。
事前申込は必要ないが、海外旅行傷害保険は「利用付帯」となっており、渡航先への航空券や旅行代理店で予約した海外パックツアー料金などを本カードで1円以上でも支払っている必要がある。
また、海外アシスタンスサービスも利用でき、海外旅行中に怪我や病気といったアクシデントに見舞われても、電話1本で日本語のサポートを受けられる。病院を紹介してくれたり、保険金の請求手続きについて案内してくれたりと、緊急医療にまつわる相談事を渡航先から24時間365日いつでも連絡できるため、かなり安心だ。
海外旅行の際に活躍する嬉しい優待特典は、おもに以下の通り。
楽天カードの海外旅行関連「優待特典」
年会費海外レンタカー10%OFF 予約割引料金からさらに10%OFF
ハワイ・グアム・カナダなど多様な拠点で利用可能
ハーツレンタカーも優待料金に携帯・Wi-Fiルーターレンタル20%OFF ポケットWi-Fiを税抜300円〜/日でレンタル可能
会員特典として総額からさらに20%OFF
各種手数料は無料
国内主要空港+ハワイ・韓国・台湾での現地受渡OK
24時間体制のカスタマーサポート手荷物宅配優待サービス 往復の手荷物宅配が通常料金から300円/個OFF
出発・入国の際は1個あたり200円割引に会員専用ハワイラウンジ ワイキキとアラモアナのラウンジを無料で利用可能
楽天カード提示で会員+同伴者5名までが無料に
日本語を話せる現地スタッフが対応カード到着までの期間 1週間~10日前後 ポイント還元率 1%(100円につき1ポイント) ポイント利用先(例) カード支払金額への充当
楽天ポイントマークのある店舗での買い物
楽天グループでの運用国際ブランド Visa・マスターカード・JCB・アメックス 付帯保険 最高2000万円の海外旅行傷害保険 付帯サービス 海外レンタカー10%オフ
携帯・WiFiルーターレンタル20%オフ
手荷物宅配優待サービス
楽天カード会員様専用ハワイラウンジタッチ決済 アメックス以外は対応 ナンバーレスカード なし(裏面記載あり) 不正利用補償 あり マイル移行先 ANA 入会資格 18歳以上高校生不可 キャンペーン 新規入会&利用で5000ポイント付与
紹介キャンペーンで8000ポイント付与申込方法 WEB申込のみ
便利なサービスや、海外旅行が有意義になる優待特典が用意されており、充実度としては申し分ない。年会費が全くかからない一般カードのなかでも、本カードは海外利用に限定した保険とサービスのバランスが良く、まさに有能な1枚と言えるだろう。
18歳以上なら気軽に申し込めるハードルの低さもポイント。自分の好みにあわせて国際ブランドを選べるので、メインカードで利用できない店舗をカバーする2枚目のサブカードとして活用するのも賢明だ。
楽天カードの詳細スペック
年会費 本会員:永年無料
家族会員:永年無料追加カード ETCカード
家族カード電子マネー・スマホ決済 Apple Pay
Google Pay
楽天ペイ
楽天Edy発行スピード 1週間~10日前後 ポイント還元率 1%(100円につき1ポイント) ポイント利用先 カード支払金額への充当
楽天ポイントマークのある店舗での買い物
楽天グループでの運用など国際ブランド Visa・マスターカード・JCB・アメックス 付帯保険 海外旅行傷害保険:最高2000万円 付帯サービス 海外レンタカー10%オフ
携帯・WiFiルーターレンタル20%オフ
手荷物宅配優待サービス
楽天カード会員様専用ハワイラウンジ
海外アシスタンスサービス などタッチ決済 アメックス以外は対応 ナンバーレスカード なし(裏面記載あり) 不正利用補償 あり マイル移行先 ANA 入会資格 18歳以上高校生不可
クレカの「海外利用手数料」を徹底比較
海外でクレジットカードを利用すると、基本的には海外利用手数料が発生する。「海外事務手数料」「海外ショッピング手数料」「外貨取扱手数料」など、さまざまな呼称があるが、すべて同じ意味だ。
海外利用手数料の内訳は、国際ブランドの為替レートの上乗せ分とカード会社の利益となる手数料。この、カード会社へ収める海外利用手数料率は、一般的に1.6〜3.0%が平均とされている。
前項で紹介した3枚を含め、主要なクレジットカードの海外利用手数料率を以下の表にまとめた。
上位3つ「エポスカード」「JCBカード」「楽天カード」は、表に取り上げたクレジットカードのなかでも特に海外利用手数料率が低い。
3%台の海外利用手数料を引かれるクレジットカードはそうそうないが、即時決済のデビットカードや事前入金のプリペイドカードのほうが3%以上の手数料を取られやすい傾向にある。
なお、海外利用手数料は、以下の計算式で算出が可能だ。
例えば、以下の条件でクレジットカード決済の買い物をした場合、海外利用手数料はこのようになる。
- クレジットカードで100ドルの商品を購入
- 為替レートは1ドル100円換算
- 海外利用手数料率は1.60%
請求額は100ドル × 100円 + 160円となるため、1万160円。なお、海外利用手数料率は利用する国際ブランドによって変動するので、海外旅行前にあらかじめチェックしておこう。
クレカを海外で使えない理由とその対処法
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クレジットカードを海外で使えないときは、おもに以下のような理由が挙げられる。
- 支払いを滞納している
- 有効期限が切れている
- 利用限度額が超過している
- 不正利用として判断されている
- 現地の決済端末が故障している
- 暗証番号の入力が間違っている
- 対応不可の国際ブランドを利用している
- 破損や磁気不良による不具合が発生している
支払いを滞納すると、カード会社からクレジットカードの利用を停止される可能性がある。まずは遅れている支払いを解決して、利用を再開できるようカード会社に相談しよう。
利用限度額を超えている場合も同様に、限度額を超えた買い物ができないよう利用を止められている状況だ。有効期限が切れていると、カードそのものが使えない。海外旅行へ出発する前に、カードの利用可能枠を増やしておいたり、有効期限を確認しておくことで未然に防げるだろう。
また、クレジットカードが破損していたり、磁気不良となっていたりする場合は、カード情報を読み取るICチップが正常に機能していないために利用できないことも。このような理由で海外旅行中にクレジットカードを使えなかったら、ひとまずカード会社に連絡し、増額申請やカードの再発行など、状況に応じて対応してもらうと良い。
海外で高額な商品を購入した際は、誤って不正利用検知システムが作動してしまい、カードを利用できなくなるケースがある。暗証番号の入力を何回も繰り返して間違えた場合にもロックがかかってしまうため、カード会社に連絡して対処してもらうのが確実だ。現地の決済端末が故障している場合は、クレジットカードに問題があるわけではない。ほかのレジで対応してもらうか、すぐに改善されそうになければ現地通貨で支払うしかないだろう。
国際ブランドの対応可否によっては、クレジットカードを使えないことがある。例えば、利用しているカードの国際ブランドが「JCB」でありながら、利用店舗が「Visa加盟店」の場合、そのお店はJCBカードの決済に対応していないため使えないのだ。利用可能店舗の多い国際ブランドを選んだり、複数枚持ちで利用できない店舗がないようカバーしたりする対策を講じてみても良いだろう。
クレカの海外利用時における注意点
海外でクレジットカードを利用するときは、以下の点に気をつけよう。
- カード利用代金は自分の目で確認してからサインする
- 利用明細は捨てずに帰国後まで保管する
- 緊急時に備えてカード会社の連絡先を控える
高い買い物をした際には、しっかりと利用金額を視認してからサインすることが大切だ。
海外特有の文化だが、利用代金に「チップ代金」が含まれている可能性がある。チップの金額は自分で決められるが、何も知らず署名を求められたままにサインすると、店舗側に勝手にチップ代金が記載されてしまう。
また、不正利用によって発生した身に覚えのない請求を支払わないためにも、利用明細は帰国するまで持っておくと安心。帰国後まで利用明細を残しておけば、カードの利用履歴を確認したときに、相違があった際にはすぐ把握できるうえ、カード会社に不正利用を迅速に申告しやすい。
そして、クレジットカードやパスポートの紛失・盗難など、緊急性の高いトラブルが起きたときのために、カード会社の連絡先を控えておくのもポイントだ。日本語で対応してもらえる窓口の電話番号を押さえておけば、イレギュラーな事態に陥っても焦らず冷静に対応できる。コールセンターの電話番号をメモしておくなり、スマホの連絡先に登録しておくなりして、万全の状態で海外旅行へ出発しよう。
まとめ
お金をかけずとも、海外旅行中に助かる基本的な保険や補償制度が備わった年会費無料のクレジットカードはある。海外旅行傷害保険が付帯しているクレジットカードなら、安全に海外旅行を楽しめるだろう。
渡航先でトラブルが発生した場合にも、いざというときに頼れるサポートが整っていたり、旅先で有意義な時間を過ごせる専用のラウンジを利用できたりするなど、最低限のサービスがあれば、なお心強い。
本記事で紹介した「エポスカード」「JCBカード W」「楽天カード」の3枚は、それぞれに保険・ポイント・優待特典といった強みを持つ、海外利用におすすめのクレジットカードだ。
自分が使いたい国際ブランドや優先したい条件をもとに、羽を伸ばして海外旅行を満喫できる、とっておきの1枚を選んで欲しい。
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