「年収ダウン転職」受け入れるべき? 3つの判断軸で「生涯年収」見極めて

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撮影:鈴木愛子

前回は、転職時の年収交渉についてお話ししました。転職を図る際、「せっかくなら年収を上げたい。それが無理でも現状は維持したい」と思うのは当然のことです。

しかし、年収ダウンとなっても転職に踏み切ったほうがいいケースもあります。

そこで今回は、「年収ダウン」の捉え方、年収ダウンを受け入れてでも転職すべきかどうかを見極めるポイントについてご紹介します。

「希望年収額で入社」は自分自身を苦しめることも

走るサラリーマン

希望年収が通ればモチベーションも上がる。ただし、「会社の期待に応えなくては」というプレッシャーとも無縁ではいられない。

FilippoBacci / Getty Images

まずは、転職時に自分の希望通りの年収アップを果たしたAさんの事例をお話ししましょう。

Aさんは面接時、前職での実績をアピール。「自分が入社すれば、こんな成果を挙げて業績アップに貢献できる」と強く訴えました。

企業側としては採用予算をオーバーする額でしたが、期待を込めてAさんの要求を受け入れました。

ところが、Aさんは想定した成果を挙げられないまま時間が過ぎていきました。経営陣からの「高い給与を払っているのに」という視線にプレッシャーを感じ、焦るあまり空回りしてばかり。いたたまれなくなって会社を去ることになったのです。

実はAさんのように、高年収で迎えられたものの、「報酬に見合う活躍」という期待を背負うことでプレッシャーとなり、自身を追い詰めてしまう人は少なくありません。

もしAさんが、企業側の予算に合わせ、前職より年収額を下げて入社していたとしたらどうでしょう。

企業側には「年収を下げて入ってくれた」という申し訳なさや感謝の念がありますから、早急な成果を求めず、やや長い目で見てくれる可能性があります。Aさんはプレッシャーを感じることなく、伸び伸びと働いて本来の力を発揮していたかもしれません。

このように「入社後のハードルを上げない」という点では、年収ダウンを受け入れるのも得策と言えます。

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それに最初から高い給与額で入社すると、企業が期待する以上の成果を挙げないかぎり、それ以上の給与アップは難しいことも心得ておいてください。

企業側も、まだ実力のほどがつかめない人に対しては高額の給与を支払うことをためらいます。

まずは抑えめの金額からスタートし、成果を挙げたら引き上げてもらう約束で入社したほうが、企業側にとっても自分にとっても気が楽というもの。

「これだけの成果を挙げれば、この金額にアップ」といった約束を取り付けたうえで、年収ダウンを受け入れるのもひとつの考え方だと思います。

入社前には「人事評価制度」の確認を

ここからは、「年収ダウンとなっても転職する価値があるかどうか」を判断するポイントについてお話ししましょう。

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