メタはクリエイター向けに、多数のAIツールを展開している。
Courtesy of Meta
メタ(Meta)はInstagramにAIツールを導入し、クリエイターに使ってもらいたいと考えている。
2023年9月27日に開催されたメタの開発者向けイベント「コネクト(Connect)」で、マーク・ザッカーバーグCEOは、一部のコンテンツクリエイターやインフルエンサーにとって有益と思われるいくつかの生成AI機能を発表した。
例えば、ユーザーはEmu(エミュ)という名前で同日に発表されたメタの生成AI技術を使い、Instagramのアプリ上で画像を編集できるようになる。ザッカーバーグは、これらの写真編集と生成AIツールを「約1カ月後」にInstagramで提供し始めると述べた。
また、ザッカーバーグはコネクトで、メタのEmuテクノロジーは数秒で画像を生成すると語った。
写真編集ツールに加え、メタはすでにEmuとLlama 2という2つの技術を使って作られたAIステッカー(スタンプ)を展開している。
メタはAI技術をより高度に応用し、同社傘下のアプリ内のAIチャットボットやアシスタントとしてリリースする。メタはこの機能のベータテストを直ちに開始する予定だ。
以下は、メタがInstagramに追加する予定の新しいAI機能の全容だ。
Instagramアプリ内の新しい写真編集ツール
TikTokで注目を集めた多くのアプリや生成AIフィルターのように、Instagramも独自の生成AIツールでそれらに追随し始めている。ユーザーは、写真を水彩画に変えるなど画像の芸術的スタイルを変更する「restyle」や、画像の背景を説明文に置き換えられる「backdrop」で写真を編集することができる。これらのツールを使って編集された画像には、「AIを使用したことが記される」とメタのブログ投稿に書かれている。
DMで使えるAI生成ステッカー
メタは、すでにInstagramに搭載されているステッカーや絵文字にこだわらず、ユーザーが生成AIを使ってユニークなステッカーを作れる新しいツールを展開する。メタのブログ投稿によると、この機能は「10月中に一部の英語圏のユーザー向け」に展開される予定だという。
AIステッカーは、DMやストーリーのようなInstagramの機能だけでなく、WhatsApp、Messenger、Facebookのストーリー機能といった他のアプリでも利用できるようになるという。
インタラクティブなAIボット
メタは、「メタAI」と呼ばれる一般的なAIアシスタントに加え、有名人やインフルエンサーと提携して開発した28種類のAIチャットボット(「キャラクター」と呼ばれる)を展開する。最初のキャラクターは、トム・ブレイディ(Tom Brady)やケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)といった有名人や、ミスタービースト(MrBeast)、LaurDIY、チャーリー・ダミリオ(Charli D'Amelio)といった有名インフルエンサーをキャラクターとして使っている。AIキャラクターはInstagramやFacebookに自分のプロフィールを持っているという。
将来、クリエイターは独自のボットを作れるようになる
「私たちは、あなたが物事を成し遂げたり、ただ楽しむためのAIを作るプラットフォームを構築しています」とザッカーバーグは述べた。「その仕組みは、メタ・ユニバースのプロダクト全体にわたって、人々がこれらのAIと相互作用できるようになるということです」。
ザッカーバーグは、クリエイターがコミュニティと「エンゲージ」するための潜在的な方法としてこれらのAIボットを勧めている。メタのブログ投稿によると、これらのボットはクリエイターによって「許可」され、「直接コントロール」される必要があるという。アフターパーティー(Afterparty)やレンダー・メディア(Render Media)をはじめとする多くのスタートアップ企業が、クリエイターが自分自身のAIバージョンを構築可能な類似のAIツールをすでに発表している。