クレジットカードは何枚持つべきか? 複数持ちのメリット・デメリットを考えた

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カードを多く持ちすぎると購入できるものが増えるが、歯止めが効かない可能性も。

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  • いまやクレジットカードは、一人あたり複数枚を持つ時代。その分、持て余してしまう人も多いだろう。
  • 使う店舗に合わせて複数のカードを持つと、おトクに思える。だが、複数持つ場合には注意点があると、本記事の筆者である西山美紀氏は指摘する。
  • また、何枚持てばいいのか? という疑問については、「WEB明細を少なくても2カ月程度に1回はチェックできる枚数」だという。

クレジットカード、何枚持っていますか? ここ数年、もしくは十数年以上、クレジットカードを見直していないという人もいるのでは?

さまざまなモノの移り変わりが早い今の時代、買い物に欠かせないクレジットカードも、今の自分に本当に合っているか見直したいところ。では、何枚くらい持てばいいのか、複数持つ場合のメリットとデメリットについて、改めて確認していきましょう。

みんなのクレジットカードの平均保有枚数は?

ここで、世の中の一般的なカードの保有枚数を確認してみましょう。

株式会社JCBによるアンケート調査「クレジットカードに関する総合調査2022年度版」によると、クレジットカードの平均保有枚数は3.0枚、平均携帯枚数は2.0枚でした。

男女別、年齢別に見てみましょう。まず「平均保有枚数」は以下の通りです。


「年代・性別」別の平均クレカ保有数

年代 男性 女性
20代 2.3枚 2.4枚
30代 2.5枚 2.4枚
40代 2.9枚 2.9枚
50代 3.6枚 2.9枚
60代 4.2枚 3.3枚

出典:クレジットカードに関する総合調査2022年度版


男女ともに、年齢が上がるにつれて保有枚数が増えていることが分かります。 次に、「平均携帯枚数」は、以下の通りです。


「年代・性別」別の平均携帯枚数

年代 男性 女性
20代 1.7枚 1.8枚
30代 1.7枚 1.8枚
40代 2.0枚 1.9枚
50代 2.4枚 2.1枚
60代 2.6枚 2.3枚

出典:クレジットカードに関する総合調査2022年度版


こちらも年齢が上がるにつれて、携帯する枚数が増えています。また、20~30代までは、女性の方がやや多めで、40代からは男性の方がやや多めですね。

クレジットカードを全く持っていない人もいますので、感触としては1人3~4枚くらいのカードを持っていて、持ち歩くのは1~2枚くらいのイメージでしょうか。

カードを複数持っている人は、ポイントが貯まったり、好きなお店でおトクに使えたりと、それぞれお気に入りの点が違うのでは、と思います。

でも果たしてその複数のカード、上手に使えているでしょうか?

クレカを複数持つことの注意点は?

使うお店にあわせて複数のクレジットカードを持つとおトクに思えますが、実は、複数持つ場合の注意点があります。以下、5つお伝えしましょう。

注意点1)利用額が分かりづらい:クレジットカードの利用金額は、1カ月分ほどまとまって銀行口座から引き落とされます。その引き落とし日はカード会社によってまちまち。枚数が増えれば、引き落とし日がバラバラになってしまうのです。

すると、1カ月あたりで自分がいくら使っているのか分かりづらくなります。あるカードの引き落としの際に、「口座残高が足りなかった」ということになりかねません。ですので、しっかり注意する必要があります。

注意点2)“おトク”になるための管理が面倒:カードが複数あると、貯まるポイントもバラバラになりがちです。AポイントとBポイント、Cポイントと複数あると、いずれかの有効期限が切れることもあるでしょう。

また、暗証番号が、どれがどれだか分からなくなる可能性もあります。WEB明細を利用する場合の、IDやパスワードの管理も煩雑に。さらに、サービスが改悪になった場合に、気づきにくいというデメリットもあります。

注意点3)盗難や不正利用に気づきにくい:複数のカードがあると、それだけ物理的に盗難などのリスクが増えます。また、カード利用明細を見るのが億劫になり、万一不正利用されたときに気づくのが遅れる危険性もあります。

注意点4)カードを使いすぎてしまいがち:カードが複数あると、Aカードで利用限度額を超えた際に、Bカードを使って買い物をすることができてしまいます。そのため、身の丈以上買い物をしてしまうことも……。トータルの利用額には十分注意する必要があります。

自分にあったクレカの枚数は?

とはいえ、クレジットカードを1枚に絞るのは現実的ではないもの。このお店ではこのカード、あのECサイトではあのカード、という具合に上手に使い分けておトクを得たいですよね。

では、クレジットカードは何枚持つのがベストなのでしょうか。

答えは、「WEB明細を、少なくても2カ月程度に1回はチェックできる枚数」と筆者はお伝えしています。利用額の把握、利用内容と金額の把握、不正利用はないか、ポイントなどの利用忘れがないかなど、WEB明細でのチェックは重要です。

最近は、紙の明細ではなく、WEB明細が多いと思いますが、もしカードが10枚あったら、定期的にチェックができないですよね。こまめにチェックできる人は枚数が多めでもよいですが、こまめなチェックが苦手な人は、カードの枚数を絞ることをおすすめします。その方が、トータル的には、おトクに利用できる可能性が高いのです。

じゃあ、クレカはどう選べばいいの?

では、自分にあったカードとはどんなカードでしょうか。それは「今の自分のライフスタイルに合ったもの」です。

年齢やライフステージによって、利用するお店やサービスは変わっていくもの。「以前はこのお店でクレジットカードをよく使っていたけれど、最近は使わなくなった」「自宅で料理が増えて、スーパーの買い物が増えた」などと、お金を使う場所や金額も変わっていきます。

今の自分がよく利用するお店、さらに1年間あたりで大きな金額を使っているお店で、おトクになるクレジットカードを持つのがよいでしょう。ネットのECサイト、百貨店、スーパー、ガソリンスタンドなどでよく使う場合は、そのお店の関連のカードを選ぶ。また、Pay系決済や交通系ICカードなどと紐づけてよく使う場合は、チャージがおトクになるカードを選ぶのも選択肢です。

また、枚数を増やしたくない人、利用するお店がよく変わる人は、年会費無料で、どんなお店で買ってもポイント還元率が原則1%以上のクレジットカードを持つのも選択肢です。例えば、楽天カードやPayPayカード、リクルートカードなどが挙げられます(一部の支払先は還元率が変わるものもあり)。

ポイントを使うことが面倒な人は、例えばP-oneカードなら、原則1%オフになるカードのため、ポイントを気にせず利用できます。もし、年会費がかかるカードの場合は、「年会費を払い続けるおトクな面があるか」も、しっかり確認しておきましょう。

クレカを整理するための4ステップ

ここ何年もクレジットカードを見直していない人は、一度確認してみるとよいでしょう。整理をするなら、この4ステップがおすすめです。

ステップ1)保有しているカードを洗い出す:大昔に作って、机の奥にしまいっぱなしのカードはないでしょうか。自分がいったい何枚持っているか、一度全部確認しましょう。

年会費を払っているかもチェック。年会費がかかるカードは、その年会費を払うよりも、メリットの方が大きいかを吟味してみてください。

ステップ2)要不要を確認:持っているすべてのカードについて、要不要を確認します。「よく使っているお店でおトクになる、便利になる」「おトクなサービス、ポイントを十分使い切れている」という観点でチェックしてみましょう。

また、クレジットカードのサービスは変更になることがよくあります。公式サイトを確認してみるほか、SNS上でクレジットカードの名前を入力してみると、上手な使い方をしている例が見つかることもあります(その情報が正しいかどうかは、改めて公式サイトで確認を)。

さらに、「WEB明細を全然見ていなかった」というカードがあれば、必ず明細を見ましょう。おトクなサービスが見つかって、これからもっとたくさん使いたくなるかもしれません。逆にしばらく利用履歴がなく、今の自分には不要なカードになっていると言える可能性が高いです。

「最近はあまり使っていない」「おトクではなくなった」と感じるカードは、解約するのも手です。

ステップ3)新しいカードを検討:もっと自分に合うカードがあれば、新しく作成するのもいいでしょう。ただし、カードは作る方が簡単で、解約をすることは逆に難しくなるものがほとんどです。

なので「本当にしっかり使うか」を考えたうえで申し込むことをおすすめします。申し込む際には、ポイントサイトを経由すると、入会等に大きなポイントがつく場合もあるので、チェックしてみてください。

まとめ

キャッシュレス化が進み、クレジットカードを使う機会が増え、またサービスも多種多様になっています。一度、自分が持っているカードについて、じっくり確認しておきましょう。


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