撮影:荒幡温子
おうちの空気環境、お掃除、エンターテイメント……全てスマホ1台でコントロールできるとしたら。
帰りの電車の中や、起き上がりたくないベッドの上など、場所を選ばず快適な環境にセッティングできるようになるだろう。
そんな夢のようなスマートホームを手がけるのが、中国発のガジェットメーカー・Xiaomiだ。
破格すぎる「マッピング機能付きロボット掃除機」
日本ではスマートフォンやウェアラブル端末のイメージが強い、Xiaomi。
だが、中国やヨーロッパなどでは、すでに総合電機メーカーとしての地位を確立しており、かねてよりスマートホーム事業にも積極的に取り組んできた。
実際、台湾や香港でも展開するXiaomiの実店舗を訪れてみると、掃除機やエアコン、さらには髭剃りや工具類など、そのラインナップの豊富さに驚く。
ロボット掃除機・S10、税込2万1800円。
撮影:荒幡温子
今回日本初展開となったロボット掃除機「S10」は、Xiaomi Japanの大沼彰社長も「スマートホームに取り組むにあたり、なくてはならない商品カテゴリー」と話す。同社の家電ラインを代表する製品で、本国での人気も高いという。
まず驚くべきはその価格設定だ。ウォータータンク付きで水拭きにも対応し、マッピング(部屋のレイアウトを把握する機能)もできて、税込2万4800円で販売する。
撮影:荒幡温子
確かに、同様の価格帯で取り扱うブランドも存在するものの、大体の場合マッピング機能のついていない、純粋な自動掃除機能のみを搭載しているものがほとんどだ。
マッピング機能がない場合、掃除残しが発生したり、ロボットが自力で充電ステーションに帰ることができなかったりと、せっかく自動化してもストレスが残ることもある。
撮影:荒幡温子
また、この価格帯で拭き掃除も兼ね備えたエントリーモデルはほぼ見かけない。
機能はてんこ盛りなのに2万5000円以下とは、業界を揺るがすと言っても過言ではない破格の価格設定と言えよう。
撮影:荒幡温子
Xiaomiの製品はデザインにも定評があり、中国人の知り合いは、「Xiaomiの家電のイメージは、無印良品に近いものがある」と言う。
S10も例に漏れず、シンプルなデザインが目を引く。ロゴすらも目立たないマットな質感で、生活感がない。
他のメーカーと同様に、アプリ連動でスマホからマッピングや掃除の進行具合の確認ができる。
また、すでに日本で展開中の空気清浄機や加湿器など、XiaomiのIoT家電を持っていれば、Mi Homeというアプリで一元管理ができるようになっている。
この点は、さすが総合電気メーカーのXiaomiと言えるだろう。
タブレットから加湿器の電源を入れる。タイムラグもほとんどなく、即座に運転が開始した。
撮影:荒幡温子
一つのアプリだけでおうちをIoT化できるだけで、スマートホームへのハードルをぐんとさげてくれるのではないだろうか。
なお、AlexaやGoogle Homeにも対応しているので、音声でアクションを起こすことも可能だ。
約2.2万円のタブレット、6000円以下のスマートバンド
Redmi Pad SE、税込2万1800円。
撮影:荒幡温子
お馴染みのガジェット類も、高コスパで展開する。
「家族に一台ではなく、一人に一台持っていただける価格を実現しました」と大沼社長が太鼓判を押すタブレット「Redmi Pad SE」は、税込2万1800円(4GB+128GB版 ※編注:4GBはメモリ、128GBがストレージ)より発売する。
Dolby Atmos対応のクアッドスピーカーを搭載しており、タブレットでは映像作品を楽しむだけという人であれば、まさにもってこいのアイテムではないだろうか。
Smart Band 8、税込5990円。
撮影:荒幡温子
人気のスマートバンドも「Smart Band 8」としてパワーアップした。税込5990円と、前回モデルよりも1000円価格を下げてのアップグレードとなった。
今回のモデルは、バッテリーは最大16日間(通常使用の場合)、急速充電時は約1時間でフル充電できる仕様だ。私もSmart Band 5を3年ほど愛用している。Apple Watchよりもずっと軽量で、毎日充電する必要もないので、寝ている間でも負担なくつけていられる。
また、LINEや通話について、直接の返信や応答はできないものの、通知を確認できるのも気に入っているポイントだ。
スマートペンダント、税込3290円。
撮影:荒幡温子
アクセサリも充実している。カスタマイズできるものが従来のバンドに加えて、ファッション製のあるチェーンタイプのもの、首から下げるペンダントデザイン、靴紐部分に取り付けて、より正確なランニング記録を可能にするランニングクリップが登場した。
ランニングクリップ、税込1490円。
撮影:荒幡温子
本体価格が安いので、既存のバンド以外にもさまざまなアクセサリを複数買いするという楽しみ方もできそうだ。
「お求めやすい価格」だからこそ試しやすい
Xiaomi Japan 取締役社長、大沼 彰氏(右)、プロダクトプランニング部 本部長 安達 晃彦(左)。
撮影:荒幡温子
2023年6月末時点で、Xiaomiのプラットフォームの接続台数は6億5450万台以上にものぼる。スマホ・ラップトップ・タブレットは含まれていない数字ということで、IoT家電のブランドとしても注目度は高い。
その人気は、発表会でも繰り返されていたように、「お求めやすい価格」にある。同社では2018年に「ハードウェア事業の年間純利益率は5%を超えない」ことを発表し、低価格の実現に取り組んでいる。
ロボット掃除機S10に関しても、コストを最小限に抑えるために公式サイトとAmazon・楽天市場のみでの展開となるが、低価格だからこその試しやすさがあるだろう。
ロボット掃除機やその他スマートホーム製品が気になるという人には、まずチェックしてもらいたいメーカーだ。