アマゾンの“極秘”生成AI戦略「プロジェクト・ナイル」全貌が判明。24年1月に米国で対話型検索導入へ

Amazon アンディ・ジャシー 最高経営責任者(CEO)。

アマゾン(Amazon)のアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)。

Mike Blake/Reuters; Amazon; Alyssa Powell/Insider

過日行われたアマゾン(Amazon)の社内ミーティング——。

ECサイトの検索機能やスマートアシスタント「アレクサ(Alexa)」の音声ショッピング機能を担当するバイスプレジデント、ジョセフ・シロシュ氏は「I love AI(人工知能、大好き)」とプリントされたTシャツ姿で現れた。

プリントはただのデザインではない。

マイクロソフト(Microsoft)のAI部門最高技術責任者(CTO)、不動産仲介コンパス(Compass)のCTOを経て、2022年10月にアマゾンに移籍したシロシュ氏は今、従業員に対して重要なメッセージを発信している。

「アマゾンのeコマース体験は大きく生まれ変わろうとしています」

Insiderはシロシュ氏による社内プレゼンの録音と文字起こしを独自ルートで入手した。

その他の内部文書や関係者への取材と合わせて、消費者のオンラインショッピング体験を変える、アマゾンの抜本的改革の全貌が見えてきた。

シロシュ氏は社内ミーティングでこう語っている。

「私たちには大きな仕事が待ち受けています。(生成AIを活用したオンラインショッピングという)新しい世界へと全てのユーザーを導かねばならないのです」

アマゾンは今、自然な人間との会話に近いやり取りを通じてより詳細に、かつ徹底的にパーソナライズされた商品検索を可能にする生成AIを組み込むことで、ウェブサイトとアプリでのショッピング体験を刷新しようとしている。

プロジェクト・ナイル(Project Nile)」の社内コードネームで呼ばれるこの計画は、アマゾンの既存の検索エンジンに生成AIレイヤーをかぶせることで、商品比較、詳細情報やレビューのリクエスト、検索コンテキスト(文脈)や商品閲覧・購入履歴に基づくレコメンドを、ユーザーに瞬時に提供するのが狙いのようだ。

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