2023年度下半期に忘れちゃいけない、個人の「お金」に関わる5つの重要イベント

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個人のお金にまつわる重要なイベントを忘れないようにしよう。

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  • 2023年度も下半期がはじまった。ここから来年3月末までの半年は、個人のお金にまつわるイベントが目白押しだ。
  • 正しく資産形成していくには、こうしたイベントの一つひとつを抑えておく必要がある。
  • 2023年度の下半期に予定されている、個人のお金にまつわる重要なイベントを時系列順にまとめてみた。

2023年度も下半期がはじまった。ここから来年3月末までの半年は、個人のお金にまつわるイベントが目白押しだ。

正しく資産形成していくには、こうしたイベントの一つひとつを抑えておく必要がある。だが、年末年始を途中で挟む下半期は、ただでさえ慌ただしい。しっかりと、忘れないようにいまから予定を立てておこう。

2023年度の下半期に予定されている、個人のお金にまつわる重要なイベントを時系列順にまとめてみた。

2023年度下半期お金のカレンダー

10月~:インボイス制度開始

直近では今月1日からインボイス制度が始まった。これはとりわけ経営者や個人事業主に関わる制度である。

ちなみにインボイスとは適格請求書のことで、登録を受けた課税事業者しか発行できないものだ。従来、買い手は通常の請求書でも仕入税額控除を受けることが可能だったが、制度開始後以降はインボイス以外の請求書で仕入税額控除を受けることができなくなる。そのため、仕入税額控除を受けたい事業者は、インボイス発行事業者ではない事業者との取引を避けるようになる可能性が高いのだ。

昨今、さまざまな物議を醸している制度だが、確かにこれによって、これまで免税事業者だったフリーランスや小規模業者は手取りが減ってしまう。だが、今後も円滑な契約の継続を望むなら、課税事業者として登録したほうが良いだろう。実際、取引で自分が買い手となる場合、税制面で自分が不利にならないためにも、仕入先がインボイス発行事業者かどうかは確認しておく必要があるからだ。

10月下旬・12月中旬:中銀ウィーク

こちらは個人投資家なら、頭に入れておきたいイベントである。毎年、定期的に複数回開催されるこの中銀ウィークによって、株価の動きが左右されるからだ。

中銀ウィークとは、日銀の日本銀行金融政策決定会合や米FRBの米連邦公開市場委員会(FOMC)など、各国の中央銀行(中銀)の金融政策会議が集中する期間のこと。今年は残すところ2回あり、10/26~11/2及び12/12~12/19の間に日・米・英・EU中銀の会議が予定されている。

アフターコロナで経済活動が再開されて以降、急速な物価上昇が続いたため、物価を抑えるべく米FRBは2022年から利上げを継続してきた。今年の間に、もう一度利上げがあると見込まれている。利上げによって株式市場が一時的に冷え込むかもしれない。

だが来年の後半には利下げを行うと言われており、長期で株価が下落し続けるとは考えにくい。中銀ウィークの前後で様々なニュースに踊らされるかもしれないが、投資では長期での運用を心がけ、短期の変動に焦らないようにしよう

ちなみに最近では金融機関が高い利率を謳って「米ドル建て預金」を宣伝している例がみられるが、来年に利下げが見込まれているのであれば、手を出さない方が賢明かもしれない。手数料などを勘案した結果、他の金融商品の方が良かったという事にもなりかねない。

12月末:会社員向けの「年末調整」の締め切り

12月には会社員向けの年末調整がある。各企業で通知されるため忘れることはないだろうが、中身については改めて確認しておきたい。

生命保険や地震保険に加入していれば証明書を添付の上、記載しておこう。年末調整を機に保険の見直しやスリム化をすることも重要だ。金額を見た結果、必要以上に保険に加入していたことに気が付くかもしれない。

ちなみに個人的な意見だが、「外貨建て医療保険」のような保険と投資を組み合わせた商品を筆者はおすすめしない。保険と投資は別物であると割り切り、加入する保険は最小限のものにしておきたい。

また、マイホームを購入した場合は「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」として住宅ローン残高の原則0.7%にあたる金額を控除できる。こちらは所得税から直接差し引く「税額控除」であり、かなり大きな金額となるため必ず記載しておこう。なお住宅ローン控除を受ける最初の年は確定申告が必要である。

1月~:新NISA制度が開始

Money Insiderでもたびたび話題に取り上げているが、1月からは新NISA制度が開始される。これには投資経験者のみならず、未経験者にもぜひ注目してもらいたい。

現行のNISAと比較して、格段に使いやすい制度となっており、これを機に投資を始めたい方は、今のうちに利用する金融機関を選んでおくと良いだろう。

なお、全員に共通する正しい投資法はなく、人によって適切な投資方法は異なる。いくら使いやすくなったとはいえ、ネットでいろんな人の意見を見たり、参考図書を購入したりなど、ある程度の情報収集はしておいたほうが良い。

ちなみに、すでに現行の制度でNISA口座を開設している人は自動的に新制度へと移行されるようだ。新たに口座を開設する必要はないが、現制度の非課税枠が余っているのであれば、今のうちに使い切っておきたい。

2~3月:確定申告期間

2~3月は事業主やフリーランサー、投資をしている会社員にとってお馴染みの確定申告期間がある。これによって、経費として計上できる分は漏れなく計上しておき、投資で損失を出してしまった場合は来年度に損益通算できるよう、忘れず申告しておく必要がある。

その上で、確定申告期間は1年の収入や投資成果を振り返る良い期間といえる。現状の収入に不満であれば、事業の見直しや転職を検討し、投資成果については成功例よりも失敗例から学ぶと良いだろう。投機的な商品や衝動的に買ってしまった商品の成績が悪いことに気が付くかもしれない。

なお、申告書に記載する欄は無いものの、確定申告期間は1年の生活費や出費について振り返る良い期間でもある。収入に見合わない生活をしていないか確認しておくのも良い。

ちなみに、ふるさと納税をしている方は、確定申告することで所得税の寄附金控除を受けることができる。しかし控除できるのは前年12月31日までに支払った分なので注意が必要だ。

まとめ

以上、2023年の後半から年始にかけて起きるお金関連のイベントをまとめてみた。仕事や事業に追われる方は普段からパーソナルファイナンスについて振り返る機会は少ないかもしれないが、こうしたイベントを機に振り替えることで意外な出費や問題点に気が付く可能性もある。

自分に関係しているイベントがあればカレンダーに記載しておこう。なお来年の4月以降はビットコイン半減期や3月期決算企業の決算発表などが予定されており、引き続きお金関係のイベントは続きそうである。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントなどをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。資産運用における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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