パーサヴィアランスが撮影した火星の風景。
NASA/JPL-Caltech/ASU/MSSS
- NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」は、高さ約2000mの嵐の様子を撮影した。
- 横幅が約60メートルの嵐は、時速20kmの速さで移動したという。
- 科学者によると、火星の嵐は地球のものよりずっと強力だ。
NASAの火星探査機「パーサヴィアランス」は、地球上の旋風よりずっと大きいという、高さ2000mにもなる火星の「ダストデビル」をカメラでとらえた。
NASAはプレスリリースで、火星にあるジェゼロ・クレーターに沿って移動する嵐の下の方を映した短い動画を公開したと述べた。
ダストデビルは遠くで白っぽく動く円柱のように見える。
NASA/JPL-Caltech
21枚の画像を20倍の速さにした動画では、嵐は高さ120mほどでしかないが、NASAによると、科学者はこの嵐は高さ2000mにもなると見ている。ニューヨークのワンワールドトレードセンターの3.5倍近い高さだ。
「嵐の上の部分は見えないが、影から高さを推測できる」と、パーサヴィアランスの科学チームメンバーであるマーク・レモン(Mark Lemmon)は、プレスリリースの中で述べた。
「これらはだいたい円柱形だ。もしこの嵐もそうなら、高さは2000mになるだろう」
約4km離れたところからとらえた火星の嵐は、幅は約60mで、時速20kmの速さで移動したという。
火星の嵐は地球のものより強力
NASAによると、火星のダストデビルは地球の竜巻ほど強烈ではないものの、地球上のダストデビルよりもはるかに強力で大きいという。
アメリカ国立気象局(NWS)によると、地球のダストデビルの高さは平均300mで、火星のダストデビルのおよそ6分の1だという。
ダストデビルは火星の春と夏によく起こり、NASAがこの様子をカメラでとらえたのは今回が初めてではない。だが、いつ、どこでダストデビルが起きるか、科学者が予測することはできないという。
NASAのジェット推進研究所の動画によると、2012年に記録された前回のダストデビルは、高さ2万mまで伸びていた。