高校の先生からのアドバイスで人生が変わった。なぜ私は32歳で経済的自立を達成できたのか

経済的に自立したトレーダー、エリック・スモリンスキ氏と妻のメル氏。

経済的な自立を果たしたトレーダー、エリック・スモリンスキ氏と妻のメル氏。

Courtesy of Erik Smolinski

エリック・スモリンスキ(Erik Smolinski)氏の初めてのアルバイトは薪割りだった。

当時はまだ12歳ごろ。母親はスモリンスキ氏と彼の兄弟を食べさせるために、2つの仕事を掛け持ちしていた。そんな姿を見ていたスモリンスキ氏は、「自分は将来お金に困らないようにする」ために働き始めたとInsiderの取材に語る。

スモリンスキ氏は中学校と高校でも、雑用のようなアルバイトを続けた。クリスマスツリーを売ったり、頁岩を運んだりといった雑多な仕事だ。そうして稼いだお金は余さず貯金した。そうすれば、自分の経済的な状況を十分変えられると考えていたのだ。

当時のスモリンスキ氏は、複利の仕組みも知らなかったし、貯金を投資に回してお金に仕事をしてもらうという概念も理解していなかった。

「私の家庭では、誰かが投資の話をしているのを聞いたことがありません。投資とは何なのか、まったく知りませんでした」

しかしある日、高校の先生に、投資について調べてみるよう言われた。

「先生は、私がアルバイトを頑張っている姿を見て、『稼いだお金は何に使っているの』と尋ねてきたのです」

彼を予備役将校訓練課程でも指導していたこの先生のアドバイスを受けて、彼は高校の図書室に行き、何冊かの本を手に取って、基本的な投資の概念について学び始めた。

そしてスモリンスキ氏は、株を買い始めた。具体的には、自分が知っていて好きな企業の株だ。例えば、アイポッド(iPod)を「とてもクール」だと思ったので、アップル(Apple)の株を買った。また、ネットフリックス(Netflix)とアマゾン(Amazon)の株を買った記憶もあるという。

それが徐々に、デリバティブ取引に発展していった。大学に入るとデリバティブ取引により力を入れるようになり、今ではもう10年以上行っている。

スモリンスキ氏は、大学卒業後に6年間海兵隊に所属していた。今では、住宅や商業施設の不動産も保有し、エンジェル投資にも手を出し始めている。スモリンスキ氏の純資産は数百万ドルに達しており、32歳にしてもうお金に困ることはないと考えている。Insiderはスモリンスキ氏の資産額を、取引口座の複数のスクリーンショットで確認した。

先生からのアドバイスがなければ、スモリンスキ氏がこれほど若くから投資を始めることはなかっただろうし、さらには投資をまったく行っていなかったかもしれない。

長期的な資産運用で富を築く

スモリンスキ氏が主に行っているのはデリバティブ投資だ。これは非常にリスクが高いため、万人向けではない。

彼の場合は、デリバティブ投資が功を奏している。初めてエクイティ取引を行った2007年以降、損失を出してしまったのは最初の2年のみだ。

「2007年は約1.1%の損失、2008年は4.2%の損失になってしまいました。しかしその後は、一番成績が振るわなかった2018年でも13.78%のリターンです」

2018年から2022年にかけては、平均で24.6%のリターンとなった。この数字はInsiderもスモリンスキ氏の取引報告の複数のスクリーンショットで確認している。この期間、S&P 500インデックスは平均で約12%の伸びにとどまっている。スモリンスキ氏のリターンが最大だったのは、52%という数字を叩き出した2013年だった。

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