スティーブ・ジョブズ「没後12年」彼は世界をどう変えたのか。ビジネスパーソンが観るべき作品6選

Steve Jobs Palo Alto home died flower Apple

2011年10月8日。カリフォルニア州パロアルトのスティーブ・ジョブズ自宅前は、彼の死を悼む人々が手向けた花やリンゴであふれた。

San Jose Mercury News/TNS/ABACA via Reuters Connect

12年前の2011年10月5日、Apple創業者兼前CEOのスティーブ・ジョブズがこの世を去った。

Appleが音声アシスタント「Siri」を初めて搭載したiPhone 4Sを発表した、翌日のことだった。享年56歳。

天才、カリスマ、尊大、非情……。さまざまな形容詞で語られるジョブズは、自分が世界を変えられると本気で信じ、それを現実のものとした。

ジョブズは世界をどう変えたのか。その生きざまと功績を映像化した6作品を紹介する。

『スティーブ・ジョブズ 自由の精神』

Steve Jobs BILLION DOLLAR HIPPY BBC

『スティーブ・ジョブズ 自由の精神』

BBC、2011年放映/Amazon

既成概念にとらわれず、コンピュータ、電話、音楽、映画の世界に革命を起こしたスティーブ・ジョブズ。

本作は、Apple関係者らの証言をもとに、当時のカウンターカルチャー「ヒッピー文化」による影響の視点から、 “革命家”としてのジョブズに迫ったドキュメンタリーだ。

ジョブズの映像作品では珍しく、ヒッピー文化雑誌『ホールアース・カタログ』の創刊者も登場。同誌最終号から引用した言葉が、のちにジョブズがスタンフォード大学で行った名スピーチの一節「Stay hungry. Stay foolish.(ハングリーであれ、愚か者であれ)」だ。

主な配信サイト:Amazonプライム・ビデオ(2023年10月5日現在)

『スティーブ・ジョブズ』(2013年)

『スティーブ・ジョブズ』(2013年)予告編

ギャガ、2013年公開

Appleの歴史は、ジョブズの実家にあるガレージから始まった。

本作は、大学を退学したジョブズがそのガレージを拠点にスティーブ・ウォズニアックとAppleを立ち上げ、Apple再生に挑むまでの半生を描いたフィクションだ。

ジョブズがもぐりで大学のカリグラフィ(書法)の授業を受けるシーンは、それまでのコンピュータで重視されてこなかった「美しいフォント(書体)」にこだわるきっかけになったことで知られる。

ちなみに、ウォズニアックは本作で描かれたジョブズについて「事実と大きくかけ離れている」と指摘。どこがどうかけ離れているのか、ほかの作品と観比べてみるのも一興だろう。

主な配信サイト:U-NEXT、ABEMA、Amazonプライム・ビデオ(レンタル)(2023年10月5日現在)

『スティーブ・ジョブズ』(2015年)

『スティーブ・ジョブズ』(2015年)予告編

ユニバーサル・ピクチャーズ、2015年公開

先述の『スティーブ・ジョブズ』と同名だが、本作はターニングポイントとなった新製品発表会の舞台裏を描いた作品だ。

1984年のMacintosh、Apple解雇後に手掛けたNeXT Cube、Apple復帰後にリリースした1998年のiMacと、いずれも世界に衝撃を与えたジョブズのプレゼンにフォーカス。長年実子と認めなかった娘との交流や確執を交えながら描く。

原作は、イーロン・マスクの伝記を執筆したジャーナリスト兼作家ウォルター・アイザックソンの伝記『スティーブ・ジョブズ』。

主な配信サイト:U-NEXT、Amazonプライム・ビデオ(レンタル)(2023年10月5日現在)

『スティーブ・ジョブズ 知られざる男の正体』

『スティーブ・ジョブズ 知られざる男の正体』予告編

NBCユニバーサルアジア、2015年公開

「情熱のある人々は世界をいい方向に変えられる」と信じ、不屈の精神で突き進んだジョブズ。彼は常々「Appleは世界をよくするための会社だ」と語っていたという。

その一方で、巨大企業になったAppleは、課税逃れ、中国のiPhone製造工場での自殺多発など、さまざまな問題も抱えていた。

本作は、そうしたジョブズが抱える矛盾に迫ったドキュメンタリーだ。

禅の師匠との交流、龍安寺や永平寺など、ジョブズが傾倒した禅にまつわるエピソードも豊富。「矛盾を解消するには、我々はジョブズだけでなく、自分を見つめねばならない」というナレーションが胸に刺さる。

主な配信サイト:Amazonプライム・ビデオ(レンタル)(2023年10月5日現在)

『GENERAL MAGIC』

『GENERAL MAGIC』予告編

角川アスキー総合研究所、2018年公開

本作は、スティーブ・ジョブズ本人ではなく、一種のサイドストーリーとも言えるドキュメンタリー作品だ。

iPhoneが誕生する17年前の1990年、Appleの子会社「GENERAL MAGIC」が、スマートフォンの原形とも言えるパーソナル携帯情報端末の開発に着手した。ジョブズがAppleを追われた5年後のことだった。

Appleのスター人材が集結し、AT&T、ソニー、モトローラなど名だたる企業が出資。一躍時代の寵児となるも、最終的に倒産に追い込まれてしまう。

シリコンバレーで「最も重要な失敗をした企業」と言われる伝説のスタートアップがいかに生まれ、なぜ行き詰まったのか。当時のスタッフなど関係者の証言をもとにその栄枯盛衰を描く。

失敗したとはいえ、GENERAL MAGICはテクノロジー業界に大きな影響を与える人材を数多く輩出。その1人はAppleに復帰したジョブズに招かれ、iPodやiPhoneの共同開発者となっている。

主な配信サイト:U-NEXT、Amazonプライム・ビデオ(レンタル)(2023年10月5日現在)

『スタンフォード大学卒業式 祝辞』

Steve Jobs' 2005 Stanford Commencement Address

Stanford Official YouTube Site

最後に、映像作品ではないものの、今回紹介したいくつかの作品に登場するスタンフォード大学卒業式で行ったスピーチにも触れておきたい。

冒頭の『スティーブ・ジョブズ 自由の精神』で引用した「Stay hungry. Stay foolish.(ハングリーであれ、愚か者であれ)」と語ったスピーチだ。

ジョブズががんを宣告されたことを明かすと、その場が水を打ったようになり、固唾をのんで聞き入る学生たち。自身の体験談を交えて語りかける言葉の重みが、画面から伝わってくるかのようだ。

主な配信サイト:YouTube(無料)(2023年10月5日現在)

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