オンライン診療や治療アプリ開発のMICINが約40億調達。普及率低迷の現状、どう打破するか?

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撮影:三ツ村崇志

オンライン診療サービスの「curon」などで知られるMICINが、シリーズCでアルフレッサ、MTG Ventures、東邦ホールディングスと既存投資家であるWiL Fund II, L.P. を引受先とする第三者割当増資と銀行からの融資を合わせて総額40億5000万円を調達したことを10月5日、発表した。

MICINはこれで累計調達額が100億円を超えた。コロナ禍で注目されたオンライン診療だが、2021年6月末段階での普及率は15%程度と思うように広がっていない現実がある。同社は今後、どう成長を描いているのか。

伸び鈍化のオンライン診療、どう拡大するのか

MICINの原聖吾代表。

MICINの原聖吾代表。

画像:MICIN

MICINは2015年に医師でもある原聖吾代表が創業した医療ベンチャー。オンライン診療分野では、大手として知られるメドレーなどとともに名前を挙げられることも多い。

MICINの現状のビジネスの主軸はオンライン診療サービス事業。ただ、その他にデジタルセラピューティクス(DTx)事業や、臨床開発デジタルソリューション事業、保険事業の合計4つの事業を展開している。

MICINはプレスリリースの中で、「オンライン医療事業、DTx事業をはじめとする各事業の成長に加え、事業間の一層のシナジー創出を目指します」と今回の資金調達の狙いを述べている。ただ、中でも注力していくのは主力事業であるオンライン医療事業(オンライン診療)と、これからの成長が期待されるDTx事業だ。

とりわけ、DTxの市場規模は2030年までに世界で200億ドル(約2兆9800億円、1ドル=149円換算)にまで成長すると言われている。実際、MICINではすでに治療補助アプリ「MedBridge」の展開や、認知行動療法アプリの開発を進めるなど、DTx事業を今後の収益源として期待しているという。

DTx事業の拡充は、なにも単純な「事業の多角化」という意味だけにとどまらない。デジタルツールの医療活用が進むことで、主力事業であるオンライン医療にもポジティブな効果が期待できるからだ。

総務省が公表している情報通信白書によると、2021年6月末時点オンライン診療・電話診療などが実施可能な医療機関は、全体の15%に過ぎない。コロナ禍で「10年は進んだ」と言われている日本のオンライン診療環境ではあるが、原代表も「オンライン診療は、一定の伸びは見せているものの、必ずしも十分には広がっていない」と現状について語る。

MICINの原代表は、オンライン診療の今後の成長に向けた課題を次のように語る。

「制度上の課題、医師・患者の受け入れの課題があります。制度上の課題については、全体として対面とオンライン診療の診療報酬のギャップが残っていることです。特に精神科や小児科等におけるオンライン診療の診療報酬の低さがあります。医師・患者の受け入れについては我々も改善に向けた取り組みを続けています。DTxの開発や検査キットとの連携により、オンラインでもより多くの情報を取得して、オンライン診療の価値を高める取り組みをしている」

DTxの充実によって得られる情報が増えていけば、オンライン診療の普及に好影響があるというわけだ。

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