撮影:三ツ村崇志
中国の自動車メーカーである北京汽車(BAIC)グループのEVメーカー北京新能源汽車(BJEV)が、完全自動運転車の開発を目指す日本のTuring(チューリング)と提携して、2024年に日本でのEV販売を開始する予定だと、中国の一部メディアが10月9日に報じた。
北京汽車は中国の老舗自動車メーカー。HUAWEIとArcfoxというEVブランドを立ち上げ、小型EVやセダンなどの販売を進めていた。
中国メディアの報道によると、今回の協業によってBJEVとチューリングは将来的な日本での自動運転技術の商業化を目指していくとしている。また、BJEVが販売するEVブランド「Arcfox」のハイエンド車にチューリングが日本向けに開発したソフトウェアを追加搭載し、2024年頃に日本で販売を進めていくとも述べられている。
チューリングの田中大介COOは、Business Insider Japanの取材に対して
「先方と『さまざまな可能性を見越した協議をしている』ということは事実です。一方、現時点で何か外向けに正式に発表できる方向性が決まっているわけではありません」
と協議の事実はあるものの、詳細については否定した。
チューリングは、将棋AI「Ponanza」を開発したことでも知られるエンジニアの山本一成さんとカーネギー・メロン大学で自動運転の開発・研究に携わっていた青木さんが2021年に共同創業したスタートアップ。
「We Overtake Tesla」を掲げ、これまでに公道での自動運転の走行試験はもちろん、大規模言語モデル(LLM)を搭載した自動運転車のデモ走行や、自動運転レベル2相当の自動運転車の1台限定での販売など、完全自動運転の実現を目指したソフトウェアと、ハードとなる「自動車づくり」の両面から開発を続けてきた。
チューリングは、2025年までに100台の納車を完了、2027年に完全自動運転EVの量産をスタートさせ、2030年までに1万台の生産を実現する計画を掲げている。ANRIやグローバル・ブレインなどのVCやエンジェル投資家などから、これまでに総額約15億円の資金を調達している。