10'000 Hours/Getty Images
- 17年間オフィスから離れていた男性が、オフィス勤務の仕事を探している。
- まだ新しい仕事は決まっていないが、親密になれる対面式のオフィスに戻りたいと考えている。
- リモートワークは減少しているが、最新調査によるとハイブリッドワークは今後も続くという。
52歳のソフトウェア・アーキテクト、グラント・スワンソン(Grant Swanson)は、オフィス勤務に戻りたいと考えている。彼は17年間オフィスで働いていない。
15年間続けていたリモートワークを2021年に辞めた。リモートでもうまくいっていたものの、オフィスカルチャーが恋しくなり、現在は対面での仕事を探している。
「奇妙なことだが、20年ぶりにオフィスに戻りたくなった。サンフランシスコでの暮らしはとても楽しくて、毎日自転車通勤をしていたので体型も保っていた」とスワンソンはInsiderに語っている。
彼の仕事探しは難航しているという。リモートのポジションが減少し、リモートを続けたい多くの労働者もハイブリッドワークや完全に対面型の仕事に就かざるを得ない状況の中、このような課題は関心を集めている。
2023年5月にアメリカで1万8000人以上の成人を対象に行われたギャラップ(Gallup)の調査によると、リモートワークが可能な労働者の半数以上がハイブリッドワーク(10%から99%がオフィス外勤務)を希望していた。完全リモートワークを希望しているのはわずか4分の1だった。雇用主は、どのような形態のハイブリッドが生産性やチームの結束にとって最も効果的なのかを見極めつつあるが、ギャラップの調査はハイブリッドワークが今後も続くことを示している。
スワンソンのケースからも分かるように、9時から5時までのオフィスワークには戻れないと確信している労働者がいる一方で、同僚との対面での交流を切望している労働者もいる。
最適な働き方を見つけるには
スワンソンは、ナショナルバンクのサンフランシスコオフィスで5年間働いた後、2006年からリモートワークに移行した。そのような働き方をするのは彼が初めてではなかったことから、移行はスムーズに行われたという。
彼は、リモートでも求職者の面接などを行っていたが、会社からリモートでこなすのが難しい管理的な仕事を減らし、もっと技術的な課題に集中してほしいと言われ、ソフトウェア関連の仕事にシフトしていった。
この働き方は彼にとってもチームにとってもうまくいった。上司は彼のパフォーマンスを評価し、彼は常に目標を達成していた。オフィス勤務をしていた頃は、他の人の仕事を手伝いながら自分の仕事もこなしていたため、1日に12時間働いていたが、在宅で働くようになってから生産性が高まったという。
「リモートワークだと仕事が中断されることがかなり減るので、自分の仕事にさらに集中できるようになった」
スワンソンは2021年に会社を辞めた。ホームオフィスは柔軟性のある働き方ができるが、彼は「トレンドに逆らい」、現在オフィス勤務の仕事を探している。勤務先のカルチャーに親しみ、健康維持に役立つ方法で通勤したいからだ。
オフィス勤務とリモートワークの両方の仕事を探し始めたが、思っていたほどスムーズにはいっていない。前回求職活動をしたのは2001年で、そのときは問い合わせの電話が鳴りっぱなしだったという。今のところ、彼のスキルに合った新たな仕事は見つかっていない。
「今回は電話が殺到することはない。電話がかかってくるのは1日1回とか2日に1回くらいだ。思っていたよりもずっと少ない」
複数の会社で3次選考、4次選考まで進んだものの、半年間は仕事が決まらなかった。求人に応募したり面接を受ける合間に、高校でレスリングのコーチを務めたりしていた。結局、履歴書とカバーレターの作成を手伝ってくれる人を雇い、オフィス勤務あるいはハイブリッドの仕事に就けるよう、自分のスキルの盲点を埋めているところだ。
「会社のカルチャーに親しみ、会社で何が起きているのかを把握するには、オフィスで働くのがベストだと思う」とスワンソンは語った。