ファッションブランドのアイテムでもたびたび目にする「エコレザー」。
日本にも、サボテンレザーのブランドがあることをご存知だろうか。
まだまだ浸透していない…カーボンフットプリントの表記
CACTUS TOKYO
それが、サボテン由来のレザーアイテムを展開する「CACTUS TOKYO」だ。
「環境問題の解決に貢献したい」という想いを掲げる同ブランドでは、2023年秋冬のコレクションから全製品のカーボンフットプリント(CFP)の算出を開始した。
CFPとは、原材料調達から加工・生産、使用後の廃棄やリサイクルに至るまでに排出する温室効果ガスをCO2排出量に換算し、商品に表示する取り組みのことだ。
すでに、イオンやコクヨなどでも一部商品に表示があるが、全面的に導入している企業は数えるほどしかいない。
CACTUS TOKYOでは、サンフランシスコ発でサステナブルな製品づくりに定評があるシューズブランド・オールバーズが発表したライフサイクルアセスメントの指標を用いて、自社製品のCFPを算出した。
ちなみにオールバーズは、カーボンフットプリントの取り組みの草分け的存在とも言えるブランドで、2020年より全製品にCFPを明記している。
1本の木が吸収するCO2半年分をセーブできる
CACTUS TOKYO
サイト上では、製品ごとのカーボンフットプリントを確認できる。
バッグの中で、カーボンフットプリント量が最も低いのは、やや大きめのハンドバッグ「アイコニックバッグ / ルエッティ(LUETHYI)」で6.35キログラム、最大となるのが「ビッグトート / サワロ(SAGUARO)」で9.67キログラムという結果となった。
樹木の種類によって差はあるものの、一般的に一本の木が年間で吸収するCO2は14キログラム程度だという。
サボテンレザーは、誕生から廃棄・リサイクルされるまで、1本の木が1年間に吸収するCO2の約半分程度を排出するという。
自転車配送でCO2削減も
CACTUS TOKYO
「1本の木が吸収するCO2の半年分」と聞くと、それでも環境負担を感じずにはいられないが、他の素材と比較するとその差はどれほどなのだろうか。
本革と比較した場合、温室効果ガス排出量の比較にはなるが、20分の1にまで抑えられるという。
これは、サボテンレザーでは「なめし」と呼ばれる工程がないためだ。
その他にも、梱包材のダンボールにリサイクル再生紙を利用したり、自転車で配送を行う「エコ配」を採用したりと、CO2排出削減に対して熱心に取り組んでいる。
CFP表示があるだけで、「自分が選んだアイテムが、どれだけCO2を排出するのか」をリアリティを持って感じられるのではないだろうか。
買い物の際は、サボテンレザーをはじめとした自然由来のエコレザーはもちろん、CO2の排出量を“自分ごと化”できるCFPにも注目してみたい。