環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん。多くのバッシングと闘ってきた女子アクティビストの1人だ。
Alexander Pohl/Sipa USA via Reuters Connect
10月11日は国際ガールズデーだ。ジェンダー平等や気候変動などの社会問題に対し、世界中で多くの少女や若年女性らが声を上げている。
しかし、現状は過酷だ。暴力やSNSでのバッシング、資金不足など、彼女たちを取り巻く環境を国際NGOが調査した。
活動に身の危険感じる
国際NGOのプラン・インターナショナルが、世界26カ国の15歳から24歳の少女、若年女性アクティビスト(活動家)ら1000人超を対象に調査を実施した。
調査対象国の中には、市民が抗議する権利が著しく制限されている国もある。
回答者の17%が「活動を行う中で自身の身の危険を感じ」、9%は実際に「身体的暴力の脅威に直面」し、15%が「オンライン上での嫌がらせや虐待を経験」、27%が「活動に対し家族や地域住民からの否定的な見方をされた」と報告している。
こうしたこともあってか、4人に1人(25%)、LGBTIQ+の場合には3人に1人(31%)が「活動をする中で感情的に不安定になり不安を感じた」という。
見た目をバッシングされることも
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日本の若年女性アクティビストたちも困難に直面している。大半が、自らのジェンダーと年齢の両方が活動を阻む要因になりうると感じており、日本版の報告書には
「批判を受けたとき、そのうちのいくつかは私の外見についてだった。もし私が男だったら、こんなに批判されなかったかもしれない」
「東京都知事選の投票券を持っている人にレストランでの割引を提供し、投票率を上げるキャンペーンに参加。レストランに交渉に行ったが、相手にされなかった。しかし男性仲間がレストランに入ると、話を聞いてくれた。結局キャンペーンを成し遂げるため、男性に仕事を任せることになった。もし私が40 代、50代の社会的地位のある男性だったら、私の意見はもっと尊重されただろう。 ユース女性というレッテルを貼られているような気がする」
などの声があった。
ジェンダーの活動では特に資金が枯渇
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資金の問題も大きい。
「(日本で)インタビュー調査に協力してくれたアクティビストたちは、活動資金が不足していることを指摘しました。これは世界的に見られる傾向です。特に『ジェンダー』をテーマにした活動には資金や関心が集まりにくいこと、活動を続けていきたいけれどそのテーマでは生活できないことが共有されました。ユースによる活動の多くは、教育や社会福祉分野の事業と連関していますが、双方の連携にはまだ課題があると感じています」(プラン・インターナショナル、アドボカシーグループの澤柳孝浩さん)
グローバルでも54%が活動への参加を阻む主な障壁として「経済的余裕のなさ」を挙げており、プラン・インターナショナルは調査の中で、「政府、ドナー、国際NGO、その他の地方や国の資金提供機関は、女の子やユース女性が主導する草の根組織に対して、柔軟で多様な資金を提供する必要がある。また、すべての人が市民生活や公的生活に参加 できるようにするために、適切な場合 には補償を提供しなければならない」と提言している。