誰にでも失敗はある。
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- 投資においては、「どんなに賢い人でも犯してしまう失敗」というものが存在する。
- 極めて重要な投資の決定を見誤った場合、将来の資産状況に深刻な影響を及ぼしかねない。
- そうした失敗の例と、それを未然に防ぐための対策を紹介する。
人は誰でも、失敗をしてそこから学ぶものだ。しかし、極めて重要な投資の決定を下すとなると、いかなる失敗もあなたの将来の資産状況に深刻な影響を及ぼしかねない。
本記事では、どんなに賢い人でも犯してしまう失敗と、それを未然に防ぐための対策を紹介する。
1. 計画から外れる
前日に目立って順調だった銘柄や日々のニュースに影響されて投資ポートフォリオを変えていると、結果としてリターンが減りかねない。金融調査会社ダルバー(DALBAR, Inc.)の2014年の報告書をはじめとする多くの調査結果によると、個人が個別銘柄を売買した場合のリターンは、S&P500インデックスファンドを購入してそのまま保有した場合よりも低くなるケースが多い。
資産目標を達成するためには、長期的な運用計画を立てて、そこから逸れないことが大切だ。この計画には、毎月の家賃あるいは住宅ローンの支払い、大学進学のための貯金、退職に備えた運用などを含め、上げ相場でも下げ相場でもさまざまなニーズを満たして目標に向かえる明確なロードマップとなるようにしよう。
2. 感情にまかせた判断をする
一度決めた投資戦略を貫く力は、ときに恐怖心、欲、不安によって脅かされる。こうした感情に呑まれ、より安全で保守的な投資先に資金を移動させる人もいるが、それによって退職後のための資金や長期的な支出をカバーするのに十分な収入が入らなくなるかもしれない。
金融市場が何の警告もなしに上下し、ある日は急騰して次の日には急落しても、長期的な投資計画にフォーカスしつづけることが極めて重要だ。
そして、長い目で見ればそれぞれの投資対象資産は優れたパフォーマンスを上げることもあれば足を引っ張ることもある、という事実を忘れてはならない。不調な資産を衝動的に売ってしまうことはせず、避けられない短期的な上昇・下落に耐えうる分散型ポートフォリオを維持しよう。
3. リターンに対する税金の影響を理解していない
自分の納税区分を把握し、税金が投資リターンの合計額にどう影響するかを知っておこう。働いている間も退職後も、税金は資産運用に大きな影響を与えうる。
あなたがまだ働いていて、退職後用の資金に手をつけるのが何年も先であるうちと、退職して企業DCやiDeCoなどの拠出年金口座で生まれたリターンを引き出す際に税金を払っている状況とでは、取るべき投資戦略も大きく異なってくる。
税金の支払いは個人の資産状況によって大きく異なり、かなり複雑になる場合もある。ファイナンシャルアドバイザーや会計士への相談も、税金を考慮して退職後の所得計画を立てるうえで賢い戦略だ。
4. 金利の変動に合わせて戦略を変えてしまう
昨年以降、アメリカの金利は長く上昇し続けてきた。しかし、FRB(米国連邦準備制度理事会)は近い将来、短期金利利下げの可能性を示唆している。これにより、短期的な株式市場の変動や債券価格の上昇が起こるかもしれない。
しかし、こうした変化による市場の変動に過剰反応してはならない。株式、債券、不動産にきちんと分散投資しているなら、金利が下がっても長期的な投資戦略を変えるべきではない。