撮影:Business Insider Japan
AIベンチャーのAbeja(アベジャ)が6月の東証グロース上場後、初の通期決算を公表した。売上高が40.3%増加するなど、企業からのAI技術を活用したDX需要を背景に、前年から一転し黒字決算を計上、好調な状況にある。
10月12日に公表した決算短信によると、売上高27億7500万円(前年比40.3%増)、営業利益4億200万円(前年は1億6300万円の赤字)、最終利益は4億2100万円(前年は1億9600万円の赤字)。
株価は10月12日の終値で5250円で、上場後の最高値だった1万300円(6月22日)から50.9%値下がりしている。
アベジャを支える2つの事業領域
決算説明資料より。営業利益の推移。2023年8月期に入って以降、前年とは一転して四半期黒字を積み上げていることがわかる。赤罫線は編集部による加工。
Abeja 2023年8月期決算説明資料
アベジャは2つの事業領域を持っている。
1つめは企業のDX向けのプロフェッショナルサービスを提供する「トランスフォーメーション領域」。2つめが、Abeja Platform上に構築したシステムをサービス化して提供する「オペレーション領域」だ。
売上構成比では、トランスフォーメーション領域が売り上げの8割超を稼ぎ出す一方、オペレーション領域は15.9%(2022年)から18.3%(2023年)と、売上構成比の面では成長領域といえる。
Abeja 2023年8月期決算短信
アベジャは8月にPwCコンサルティングと生成AIを使った企業DX支援のための協業を開始してしており、来期2024年8月期の事業成長に向けた下地作りも着実に進めている。
2024年8月期の業績予想では、売上高34億7000万円(2023年比25%増)、営業利益4億5000万円(同11.7%増)、最終益3億8800万円(同8%減)を見込む。
アベジャの主要株主は、8月末時点でSOMPOグループのDX事業子会社SOMPO Light Vortexが筆頭株主(19.7%)で、続いて創業者の岡田陽介氏が16.4%を保有と続く。
従業員数は2023年8月末時点で103人となっている。