イスラエルの駐英大使「ガザに人道危機は存在しない」

パレスチナの人々

イスラエルの空爆で住む場所を失ったパレスチナの人々(2023年10月9日、ガザ)。

Ahmad Hasaballah/Getty Images

  • イスラエルの駐イギリス大使は、パレスチナ自治区ガザに人道危機は存在しないとスカイニュース(Sky News)に語った。
  • ガザでは住民約200万人が身動きが取れなくなっていて、電気や水、食料が不足している。
  • ガザを実効支配するイスラム組織ハマスによる攻撃への報復として、イスラエルは数千発の爆弾を投下した。

イスラエルのある大使は、パレスチナ自治区ガザに人道危機は存在しないと語った。イスラエルはガザに大量の爆弾を投下し、何千人というパレスチナ人が命を落としている。

イスラエルの駐イギリス大使であるツィッピー・ホトベリー(Tzipi Hotovely)氏は10月16日、イスラエルとガザを実効支配するイスラム組織ハマスの軍事衝突についてスカイニュースに語った。この衝突は7日のハマスによる攻撃 —— 女性や子ども、高齢者を含む1000人以上のイスラエル人やイスラエルで生活する外国人が死亡し、民間人を人質に取った —— で始まった。

それ以来、イスラエル国防軍はガザに数千発の爆弾を投下し、パレスチナ保健省によると2600人以上のパレスチナ人が死亡した。

「ガザに人道危機は存在しない」とホトベリー大使はスカイニュースに語った。

「イスラエルはイスラエル人の安全を担っている。ハマスはパレスチナ人の安全を担っている」

イスラエルのネタニヤフ首相はガザへの電気や水、燃料、物資の供給を断つ一方で、難民キャンプやモスク、住宅地を空爆し、何十万人ものパレスチナ人が行き場を失っている。

赤十字は物資が不足していて、ガザにある病院が遺体安置所と化す危険性があると警鐘を鳴らしている。また、現地では遺体安置所や墓地がいっぱいになっているため、当局はアイスクリームを運搬するトラックで遺体を保管しているとロイターは15日に報じた

ガザの住民に残された唯一の出口、南部ラファにあるエジプトとの境界の検問所が閉鎖されたままのため、ガザの住民約200万人が避難できずにいるとBBCは伝えている

スカイニュースのケイ・バーレー(Kay Burley)氏はホトベリー大使に、スカイニュースではガザで人道危機が起きていることを示す映像を流していると語った。

すると、ホトベリー大使は「自分の子どもが目の前で処刑されたらどう思うのか? こうした犯罪を犯しているナチスのことを考えて、自分たちの政府が『ちょっと待って。まずは敵を守ること、それからわたしの子どもを守らなければならない』と言うのを期待するだろうか? わたしたちの首相にとって、わたしたちの子どもが最優先事項だ」と応じた。

その上で「責めるべきはハマスだ。なぜこのような残虐行為を始めたのか、ハマスに尋ねるべきだ」と付け加えた。

一方、イギリスのスナク首相は16日、パレスチナ支援を1000万ポンド(約18億3000万円)増額すると表明したとロイターは報じている

「1000万ポンドの追加支援を行い、全体的な支援を約3分の1上乗せする。深刻な人道危機に発生対応しなければならない」とスナク首相は語った。

「 パレスチナの人々もハマスの犠牲者だ。我々はパレスチナの人々を支援しなければならない」

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