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アマゾン(Amazon)は、数十のプライベートブランドを廃止し、プライベートブランド事業担当役員だった人物をサプライチェーン部門の新たな役職に異動させた。Insiderの取材で明らかになった。
Insiderが確認した内部メールによると、アマゾンのプライベートブランド担当副社長だったマット・タディ(Matt Taddy)は現在、サプライチェーン最適化テクノロジー(SCOT)担当副社長という役職に就いている。
現在タディの直属の上司である、国際事業担当上級副社長のジョン・フェルトンが9月に送信したメールによれば、タディは9月、「新たな機会を求めて」アマゾンを退職したディーパック・バティア(Deepack Bhatia)に代わりこの新しい役職に就いたという。
「マットは、顧客へのこだわり、科学、テクノロジー、財務的な洞察力といった彼独自の才能を新たなポジションで発揮してくれるはずです。アマゾンはストア事業全体でインバウンドとプレースメントにビジネス上重要な焦点を当てています。これはマットと彼のチーム全体にとって大きな挑戦であると同時に、大きなチャンスでもあります」(フェルトンのメールより)
アマゾンの広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
アマゾンはここ数年間で、プライベートブランド事業として衣料品、家具、電子機器など多くのカテゴリーで数十のプライベートブランドを立ち上げてきた。
しかし、サードパーティー業者のデータを利用して競合するプライベートブランド商品を開発し、それが検索結果で上位に来るよう操作しているという疑いがアマゾンに対して持たれると、同事業は規制当局から監視されることとなった。
米連邦取引委員会(FTC)は9月、アマゾンに対する訴訟の中で、同社が「プライベートブランド商品と競合するサードパーティー商品に不利な状況を作り出すことによって検索の質を低下させている」と述べている。
アマゾンはこの事態を受けて、プライベートブランド事業の大幅な縮小に乗り出し、多くのプライベートブランドの廃止を決定した、とウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
タディはアマゾンに在籍して6年になる。プライベートブランド事業を担当する前は経済テクノロジー担当副社長だった。LinkedInのプロフィールによると、それ以前はシカゴ大学で統計学教授だったほか、マイクロソフト(Microsoft)で経済学とデータサイエンスの責任者を務めていた。