イケアの新商品「プラントベースソフトクリーム」(写真は試食用)。価格は50円で据え置き。「環境に配慮しているから高いなんてあり得ない」というポリシーを持つイケアらしい姿勢だ。
撮影:湯田陽子
イケアのフードコートの人気商品「50円ソフトクリーム」が、新しく生まれ変わる。
原料を動物由来の乳から植物由来(プラントベース)の豆乳に変更し、10月19日に全国の店舗で発売する。価格は50円(税込)に据え置く。
これにともない、現行の動物由来のソフトクリーム(ミルク味)の販売は終了する。
実は、今回のプラントベースソフトクリームの開発はイケア・ジャパン独自のもの。まだ日本でしか食べられない“限定商品”となる。
「言われないと気づかないレベル」の味を実現
IKEA新三郷。
撮影:湯田陽子
イケア・ジャパンはこれまで、レモン味やラムネ味などのプラントベースのソフトクリームを期間限定で販売してきたが、定番のミルク味だけは動物由来の原料を使用してきた。
というのも、ミルク味のソフトクリームでは、乳のコクが風味を決定づける重要な要素となっているからだ。
しかも、「イケアと言えばソフトクリーム、ミートボール、ホットドッグ」と言われるほどの人気商品だけに、その期待値を下回ることはできない。開発は試行錯誤の連続だったという。
「(プラントベースと)言われなければ気づかないくらいのレベルの味を目指したので、開発に少し時間がかかった」(イケア・ジャパン)
開発に着手したのは2021年ごろ。日本国内の食品メーカーと協力して試作を重ねたという。
豆乳の風味が強くならないように、甘味と塩味のバランスを調整。豆乳そのものも、粉末原料も含めて約10種類を試し、豆特有の香りが少ないものを使用した。また、乳を豆乳に置き換えるだけではシャリシャリとした食感になるため、豆乳の配合を調整するなどして、現行のイケアのソフトクリームに近い味を再現した。
その結果、
「店頭でのテスト販売では、試食した96%の方が美味しいと評価してくださった」(イケア・ジャパン)
という。
実際に試食したところ、まさに「言われなければ気づかないレベル」の味。
あえて言えばジェラートのようなシャリ感が感じられなくもないが、コクはしっかりとあり、どちらかと言うと「牧場で食べるソフトクリーム」に近い印象だった。
イケアは、家具や雑貨だけでなく、食品に関してもサステナビリティを重視しており、2020年には人気メニューのミートボールでも、プラントベース版の「プラントボール」を発売。日本での人気が高く、中でも仙台市のIKEA仙台はプラントボールの購入率世界一となっている。