過去10年間、サティア・ナデラCEOの下、マイクロソフトは何度も大型買収を行ってきた。
Axel Springer
- 2014年にマイクロソフトのCEOに就任して以降、サティア・ナデラはマイクロソフトで数々の買収を指揮してきた。
- 2023年10月17日の講演で、ナデラは買収の可能性についての基準を語った。
- 同氏の発言は、マイクロソフトが690億ドルでアクティビジョン・ブリザードを買収した直後に行われたものだ。
サティア・ナデラ(Satya Nadella)はマイクロソフト(Microsoft)のCEO在任中、多数の企業買収を成立させてきたが、買収の可能性を検討する際に考慮する重要な要素が2つあると述べている。
ナデラは2023年10月17日にベルリンで開催されたアクセル・シュプリンガー(Axel Springer)賞授賞式で講演し、彼の買収に向けた思考プロセスについて語った。アクセル・シュプリンガーはドイツのベルリンに拠点を置くメディア大手でInsiderの親会社でもある。
「私にとって、買収にはいくつかの基準がある」とナデラは語った。
「まず第一に、マイクロソフトが真の価値を付加できるかということだ。リンクトイン(LinkedIn)やギットハブ(GitHub)、アクティビジョン(Activision)、モヤン(Mojang)などを例に取れば、我々マイクロソフトが技術、ブランド、資産への市場参入のいずれにおいて、何かユニークな貢献ができることを理解してもらわなければならない。そうでなければ、買収する意味があるのだろうか。もちろん、最終的には経済的にも意味がないといけない」
反トラスト規制当局によるハードルをクリアした後、マイクロソフトは「コールオブデューティ(Call of Duty)」や「ワールド オブ ウォークラフト(World of Warcraft)」などの大ヒットビデオゲームを手がけるアクティビジョン・ブリザード(Activision Blizzard)を690億ドル(約10兆3500億円)で買収した。マイクロソフトは2014年11月にはマインクラフト(Minecraft)の生みの親、モヤンスタジオ(Mojang Studios)を25億ドル(約3750億円)で買収している。
以前ナデラはマイクロソフトの将来にとってのゲームの重要性について語ったことがある。
彼は2014年にCEOに就任した数カ月後、「大企業として、中核部分を明確にすることは非常に重要だと思うが、基本的な影響力と成功をもたらすことができる他の事業で、賢明な選択をすることも重要だ」と従業員に宛てたメモの中で述べている。
「モバイルファーストの世界で、費やした時間とお金の両面で測定される唯一最大のデジタルライフのカテゴリーはゲームだ」
ナデラの指揮の下、マイクロソフトは2016年にビジネス特化型SNSのリンクトインを262億ドル(約4兆円)で、2018年にはソフトウェア開発のプラットフォームのジットハブも75億ドル(1兆1250億円)で買収している。またマイクロソフトはChatGPTを開発するOpenAIに130億ドル(約2兆円)を投資している。