穴の開いた服がかわいく変身。パタゴニアの“お直し”ワークショップに参加してみた

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撮影:kagari

穴の開いてしまった靴下やニットを、「もう使えない……」と処分している人も多いだろう。

しかし、諦めるのはまだ早い。シミがついたり穴があいてしまったりした部分を“縫ってお直し”する修理方法「ダーニング」が今SNSをはじめとして密かなブームを見せている。

2023年9月某日、パタゴニア東京・渋谷にてダーニングのワークショップが開催されると聞いて、実際に参加してみることにした。

パタゴニアのワークショップ会場へ

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撮影:kagari

今回のワークショップは、渋谷・原宿エリアにショップを構えるブランドが垣根を超えて行う合同リペアイベント「DO REPAIRS」(2023年9月29日〜10月1日に開催)の一環。

パタゴニア東京・渋谷の店頭に到着すると、同日に開催されていた「専門スタッフによる縫製修理サービス」のコーナーが出迎えてくれた。

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撮影:kagari

ほつれたニット、もう着られない…?

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撮影:kagari

早速、ダーニングワークショップの会場である店舗の2階へ。

まずは、今回私が持ち込んだほつれのあるニットの状態を確認してもらう。開始する前にどのような修理方法が最適か、どんな色の糸を使うかなど軽く打ち合わせをして教えてもらう。

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今回私が持ち込んだ、リサイクルショップで購入したオレンジ色のサマーニット。背中側の襟回りがほつれてしまっていた。

撮影:kagari

私は「完成時にデザイン性があるよう、元のニットの色と反対色の糸を使ってみたい」と伝えてみた。

いざ、ダーニングスタート!

ダーニング完了までの様子を、順を追ってご紹介する。

まずは、ほつれ部分を修復するために破損個所を縫っていく。

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撮影:kagari

次に、最初のものより太い糸でさらに補強。

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撮影:kagari

この工程まででほつれは繕うことができたが、ここからが本格的なダーニングだ。

刺した見た目がゴマ粒のように見えることから「ゴマシオ」と呼ばれるステッチを施す。

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撮影:kagari

糸を変えて「ゴマシオ」ステッチをさらに追加。

糸の色の選び方やどこまで装飾するかは、その人の感覚次第だ。

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撮影:kagari

私は、様子を見つつ結果的に2列追加することにした。

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撮影:kagari

世界に一つのニットが完成

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撮影:kagari

襟口がほつれてしまっていたニットが、ダーニングの力で生まれ変わった。

普段あまり縫い物をしないのとダーニング自体が初めてだったこともあり、やや不格好な仕上がりな気もするが、世界に一つつだけである価値が勝り、何だか愛おしい

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撮影:kagari

靴下のダーニングをしている参加者も

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撮影:kagari

当日は私の他にも5、6名ほどワークショップに参加している人がいて、講師や参加者同士と談笑しながら真剣なまなざしでダーニングをしていた。

靴下にダーニングをしていた参加者の方に話を聞いたところ、過去に開催された「DO REPAIRS」にて別ブランドの企画に参加したことをきっかけにリペアへの意識が高まり、今回のダーニングにも興味を持ったとのことだった。

ダーニングの思わぬ効果

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パタゴニアの講師が繕っている途中の様子を見せてもらった。こちらは布地のようにタテとヨコで刺す「バスケット」と呼ばれる方法で、靴下のダーニングなどに向いているそう。

撮影:kagari

実際にダーニングワークショップへ参加し、分かったことがいくつかあった。

今回はワークショップだったため、糸や道具の準備が不要であり、裁縫セットや多くの糸を保有していない人でも手軽に参加できた。初心者にも参加の間口が開かれていることはありがたい。

また、ダーニングをしている間は、様子を見ながら「次はどのように進めようかな」と思考を巡らせ、手元に集中することが結果的にマインドフルネス効果をもたらしていることも感じた。

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撮影:kagari

タイパが話題となる昨今、逆行するようなダーニングの作業は、日常の慌ただしさの中に忘れてしまった何かを取り戻せたような気がした

ダーニングは単なる修理の手段ではなく、永く物を愛することの楽しさや、心の豊かさが育まれることを実感する機会となった。



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