メタのInstagramとFacebookがソーシャルコマースをリードしている。
Meta, Tyler Le/Insider
アメリカのソーシャルメディアユーザーを対象とした調査で、ミレニアル世代とZ世代の消費者が商品を購入する可能性が最も高いプラットフォームはFacebook(フェイスブック)という結果になった。
インフルエンサーマーケティング会社のTraackrは、1000人のアメリカの消費者を対象に、投稿からコンテンツの閲覧、商品の購入に至るまで、ソーシャルメディア上での習慣について調査を行った。調査対象にはミレニアル世代とZ世代の消費者が含まれ、インフルエンサーマーケティングの場がどのように変化しているかを理解することが目的だと、Traackrの創業者兼CEO、ピエール-ロイック・アサヤグ(Pierre-Loïc Assayag)氏はInsiderの取材に語った。
以下、5つの重要なポイントを見ていこう。
1. クリエイター・コンテンツの消費に最も利用されているのはYouTube、次いでTikTok
Traackr
クリエイターやインフルエンサーのコンテンツを消費するうえで最も人気のプラットフォームはYouTubeだった。
「YouTubeは、ソーシャルメディアが何年にもわたって混乱するなか、穏やかで安定したプラットフォームとなっている」
「YouTubeは他社に先駆けて新しいものをリリースするわけではないが、目的を持ってやっており、その実行はうまくいく傾向にある」(アサヤグ)
2位はTikTok、3位はInstagram、4位はFacebook、5位はX(旧Twitter)という結果だった。
この順位は年齢層で変化するとTraackrは指摘している。例えば、Z世代の消費者では、SnapchatがFacebookを抑えてトップ5にランクインした。
コンテンツ投稿については、YouTubeではなく、Instagramが全消費者で最も人気のプラットフォームとなっている。
2. 最も魅力的なコンテンツカテゴリーはショート動画
ショート動画が今、ソーシャルメディアで最も魅力的なコンテンツカテゴリーになっている。だがこれは、TikTokの台頭や、ほぼすべてのプラットフォームがショート動画に注力していることを考えると驚くことではない。
Traackrによると、75%のユーザーが3分未満のコンテンツが「最も魅力的」と答えた。
「実際のところ、プラットフォームやクリエイターが消費者の関心を知りたいと思ったら、長編動画よりショート動画のほうが多くのシグナルを得られる。
もしあなたが動画を5分間見たら、楽しんだという強力なデータは得られる。だがもしあなたが、30本のショート動画のうち20本はすぐに離脱したが残りの10本は見たとなれば、ブランドマネージャーやプラットフォームにとってはこちらのほうがシグナルになる」(アサヤグ)
2位は写真、3位は5分以上の長編動画となった。
【最も魅力的なコンテンツカテゴリーの順位】
- ショート動画(3分以下)
- 写真
- 長編動画(5分以上)
- ライブストリーム
- テキスト
- ダイレクトメッセージ(DM)
- プライベートチャットグループ
3. 商品購入はFacebook、商品レビューはYouTube
Traackr
メタ(Meta)はいくつかのソーシャルコマースツールを縮小しているが(ライブショッピングの廃止、Instagramのショップタブの廃止など)、人々は依然として、メタ傘下のFacebookとInstagramで頻繁に商品を購入している。
TikTokとYouTubeもショッピング機能を強化。どちらも、ソーシャルコマースではFacebookとInstagramよりもランキングが下だったが、商品レビューや情報を求める消費者に関しては、メタ傘下の2つを上回った。
Z世代の購買力に関しては、TikTokが若い消費者が商品を購入するプラットフォームとして1位に挙げられることが多かった。
4. 半数以上の消費者は、インフルエンサーの推奨、あるいは投稿で商品を購入する可能性が高い
約61%の消費者が、インフルエンサーが商品について投稿すると、その商品を購入するよう「説得されたように感じた」と回答した。
また、信頼できるインフルエンサーが商品を推奨した場合、53%の消費者はインフルエンサーの推奨に基づいて購入する可能性は「やや高い」と回答した。
インフルエンサーが推奨、あるいは利用するソーシャルメディアプラットフォームについても同様で、Traackrの調査によると、57%の消費者が「自分が知っていて信頼しているインフルエンサーがそこに投稿していれば」、新しいソーシャルメディアアプリを試す可能性は「やや高い」と回答した。
また、約56%の消費者が、フォローしているインフルエンサーやクリエイターが所有するブランドの製品を購入する可能性は「やや高い」と回答した。
5. インフルエンサーの有料コンテンツには、まだ躊躇
ブランドとの取引、商品の販売、広告のほかに収入を得るために、多くのクリエイターは独占的な有料コンテンツを手がけている。
PatreonやSubstackなどを選ぶ人もいれば、OnlyFansを試したり、KajabiやTeachableなどでオンラインコースを販売している人もいる。
だが、フォローしているインフルエンサーの有料コンテンツにお金を払うことに「やや同意する」消費者は41%に過ぎない。