焼き芋が恋しくなる季節。9~12月に旬を迎えるさつまいもは、貯蔵すると甘みが増す。なので、収穫直後より冬にかけてのさつまいもの方が、甘くて美味しいと言われている。
甘くて美味しいさつまいもを、「焼き芋」にして食べたい! 今回はこの一点を、フードスタイリストの田村佳奈子さんに追求してもらった。
今日から僕も私も、誰でも簡単に焼き芋名人。料理が苦手な人も、焼き芋だけはプロ級。さあ、やってみよう。
甘い甘い焼き芋の下準備
「焼き芋」は、ゆっくり焼くと甘みが増す。それは、さつまいもに含まれるでんぷんが、酵素によって糖に変わるから。その酵素の働きが最もよい温度は70℃前後。70℃前後の温度で長時間加熱すると、より多くの糖が作られるので、甘みが増すというわけだ。
さつまいもの選び方のポイント
どんなさつまいもを選ぶか? 家で「焼きいも」を作るときのポイントは、あまり太くないものを選ぶこと。丸々としたものは見た目に美味しそうだなと思うが、さつまいも自体のおいしさは変わらないのだ。
それに、太さがあると中まで火を通すのに時間がかかるので、家で作るには加熱時間を考慮して、直径6~8センチくらいの程よい太さがおすすめ。
選ぶべきさつまいもの種類
さつまいもの種類はたくさんある。私はホクホク系のさつまいもが好きなので、今回使用したさつまいもはベニアズマ。
個人的見解では、ホクホク系→しっとり系→ねっとり系の順で甘みが増し、ホクホク感よりもクリーミーさが強くなる、と分析。
- ホクホク系・・・ベニアズマ、さつま金時、鳴門金時
- しっとり系・・・ひめあやか、シルクスイート
- ねっとり系・・・紅はるか、安納芋
最近はスーパーでも種類豊富に取り揃えているので、いろいろ試して自分の好みを探してみよう。
「フライパン de やきいも」
ご紹介するのはフライパンで作る「焼き芋」。
人によっては火を起こし、ドラム缶でじっくり……といったやり方が染みついているかもしれないが、今回はどの家庭にもあるフライパンで挑戦してみる。
わざわざレシピがいる? と思われるかもしれないが、ちょっとしたやり方で劇的に美味しいものが作れる、とっておきの方法をご紹介したいと思う。
材料(2人分)
- さつまいも(2本)
- 水(500㏄)
- 塩(小さじ1)
いざ、調理開始。STEP1
ポリ袋に塩、水を入れて溶かして塩水を作り、さつまいもを洗って入れ、塩水に1時間浸ける。塩水に浸けることで、皮に塩分が染みてさつまいもの甘みがより引き立つ。ポリ袋を二重にすると水漏れせず安心だ。
STEP2
さつまいもをキッチンペーパーで包み、もう一度塩水で濡らし、さらにアルミホイルで巻く。くるくるっと巻いて二重になるくらいの長さがよい。
STEP3
フライパンにのせ蓋をして弱火で15~20分、裏返して同様に加熱し、竹串を刺しスーッと通ったらでき上がり。低温でじっくり焼くことで甘味が増す。小さい種類の場合は弱火で10〜15分など、大きさによって調節しよう。
さつまいもを塩水に漬ける、というひと手間を加えることで甘みがグンと増す。
せっかくならそんな甘さを生かしたサラダにしてみたり、少し時間のある時にはさつまいもご飯を炊いてみたりしても美味しそう。
作り方、簡単でしょう
以上がとっておきのさつまいもの調理方法だ。いつもはレンジ派!オーブン派!いやいや、ドラム缶でしょう……といった方も、ちょっとひと手間加えてみてとっておきのスイートポテトならぬ、「スイート焼き芋」はいかがでしょう?
ROOMIEより一部編集・転載(2023年10月13日の記事)