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- 大手証券会社チャールズ・シュワブは、市場タイミングを含む投資スタイルに注目した調査を行った。
- 市場タイミングを計る手法はうまくいかず、ドルコスト平均法の方が長期的に優れた投資スタイルであることがわかった。
- 相場に参加し、その利益を享受する最高の方法は、すぐに投資を始め、定期的に続けることだ。
投資で資産形成をするには何か秘密の公式が必要で、最適なタイミングで適切な市場に投資をするか、投資のヒントがあると思っている人が多い。だが、多くの場合そうではない。結局のところ投資で成功するには、計画を立てて、それを続けることが大事なのであり、大手証券会社チャールズ・シュワブの最近の調査結果はそのことを示している。
9月にチャールズ・シュワブは市場タイミングに関する調査を実施した。市場タイミングとは、予測手法に基づいて金融市場に資金を出し入れする行為を指す。相場がいつ上昇していつ下落するかを予想できるなら、その値動きを利益につなげる取引をすればよい。
理論上はそうだ。
市場タイミングを捉えるのにかかるコストが機会費用であり、投資できなかった時間を意味する。市場タイミングを計ることはほぼ不可能なので、お金を預金口座に寝かせている間、投資をしていれば得られたはずの利益を逃していることになるのだ。
チャールズ・シュワブの調査では、完全なマーケット・タイマー(ほとんど不可能)から、単純に年に1回決まった時期に投資をしている人、あるいはすぐに投資をせずに預金口座のような低金利商品にお金を寝かせている人まで、5つの投資スタイルを取り上げた。
投資に関する最高のアドバイス
この調査からは、投資で成功する一般的な方法は銘柄選びやデイトレードではなく、投資信託/インデックスファンドや上場投資信託(ETF)にドルコスト平均法で分散投資をすることだとわかった。
ドルコスト平均法は、即座に、かつ、定期的に投資する戦略で、チャールズ・シュワブは市場タイミングを計る投資家とほぼ同程度の資産を形成できるとしている(市場タイミングを完全に計るのはほとんど不可能だということを覚えておいて欲しい)。また、どの投資手法も、預金口座に資産を寝かしっぱなしにするよりは長い目で見れば高いリターンを得られた。
ボーナスや税金の還付金といった一時金を手にしたときに、すぐにそれを一度に全部投資するのは不安に感じる人が多い。私もよく「全部失ったら?」と自問自答する。そんな時は、半分を投資に回して、残りを毎月一定金額ずつ投資し続ける良い機会だ。
例えば、2000ドルを一時金でもらったら、1000ドルをすぐに投資に回し、残りの1000ドルを生活防衛資金に残すか借金の返済に充てよう。そして、その後12カ月にわたり毎月70ドルずつ投資をすれば、結局1年間をかけて同じく2000ドルを投資したことになる。
ドルコスト平均法がうまくいく理由先延ばしを回避できる:毎月投資のための引き落とし口座を設定すれば(自動振替が望ましい)投資を継続できる。小額から始めることで、習慣化できることもある。
後悔する確率が低い:たとえ投資がうまくいかなくても、少額投資なら緩衝材として機能するだろう。私はこのことを身をもって知った。数年前、私の父が一時金として手に入れた1万ドルを投資に回したが、投資にありがちな相場の波に耐えられなくなり、最終的に投資をやめてしまったのだ。多くの人にとって、投資に慣れるまでは、少額の方が相場変動に耐えやすい。
市場タイミングを計ろうとしない:投資を継続するとは、相場状況にかかわらず市場に参加できるということだ。相場のタイミングを完璧に計れる人はほとんどいないことを覚えておいて欲しい。
投資で成功する方法は、調査を行い、投資を始め、投資を続けることだ。投資で儲けられる保証はまったくないが、市場タイミングを計ろうとしても長期的にうまくいかないことはわかっている。一方、すぐに投資を始め長い間投資を着実に続けていれば、果実は得られるのだ。