究極のエネルギー源「核融合」施設に行ってみた。人類の夢「地上にミニ太陽をつくる技術」はどこまで進んでいるか

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南フランス・マノスクから車で約20分のところにある国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」。

ITER Organization/EJF Riche

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

今年の夏は“大人の社会科見学”のため海外滞在が長かったという入山先生。8月には南フランスを訪れ、核融合施設「ITER」を現地視察してきたそうです。エネルギー問題が喫緊の課題となるなか、ビル・ゲイツらも注目する核融合技術を実際に目にした先生の感想は?

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:30分49秒)※クリックすると音声が流れます

「地上に太陽をつくる」核融合施設ITERを見てきた

こんにちは、入山章栄です。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

先生はこの夏、海外出張が多くありませんでした? ご連絡するたびに「いま空港です」とおっしゃっていたような。


はい、実はほぼ日本にいませんでした。もともと1年の3分の1はマニラにいますが、さらに今年の夏は、8月は南フランス、9月にフィンランドに行ってきたんです。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

なんとうらやましい。どちらもご出張だったんですか?


いや、僕は「大人の社会科見学」と称して、定期的に自費で海外に行くようにしているんです。もちろん観光もしますが、目的の半分は、気になる企業を訪問したり行政の担当者に会ったりすることです。特に誰かに頼まれたわけでもなく、ご縁があるところに行くというだけなんですけど。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

では、今回は南仏のお話を聞かせてください。


わかりました。南仏では訪問したところが2カ所あって、一つめがマノスクというところです。

いま人類が取り組んでいる壮大なプロジェクトには、「ビッグ2」と呼ばれるものがあり、一つが宇宙ステーション。もうひとつがマノスク側にあるITER(イーター)なんですよ。

これが作れれば人類のエネルギー問題のほとんどが解決するといわれている技術が「核融合」と呼ばれるもので、ITERはこれを実用化するための7カ国の合同プロジェクトです。その建設中の実験施設を見てきました。

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