- アルファベットの株価は10月24日の第3四半期決算発表を受けて、25日に10%近く下落した。
- グーグルの同四半期のクラウドコンピューティング売上高は22%増の84億1000万ドルで、予想の86億4000万ドルを下回ったと発表した。
- ウェドブッシュのアナリスト、スコット・デビットは「クラウド事業のためにアルファベット株を所有することは、野球をするマイケル・ジョーダンを応援するようなものだ」と述べた。
グーグル(Google)の親会社であるアルファベット(Alphabet)の株価は、第3四半期決算でクラウド事業の伸びが予想を下回った翌日、10%近く急落した。
取引時間中の最安値で、アルファベットは一時1730億ドルもの時価総額を失った。後場は下げ幅を縮小し9.46%安となり、時価総額は約1655億ドル減少した。これは同社にとって過去最大の1日の損失額だ。
売上高と利益がウォール街の予想を上回ったとはいえ、グーグルのクラウド部門の売上高は22.5%増の84.1億ドルと、コンセンサス予想の86.2億ドルを下回った。成長率も前四半期の28%から低下した。
ウェドブッシュのアナリスト、スコット・デビット(Scott Devitt)は、クラウド部門の不確実性が株価の足を引っ張っているが、同社の長期的な見通しを損なうものではないと述べた。
彼は、水曜日の急落は「行き過ぎだった」と述べ、「投資家は収益の約11%、営業利益の約1%を占める同社のクラウド部門に、中核となる広告事業と比べて相対的な価値を置きすぎている」とした。
「それに対して中核の広告事業は、収益の78%を占め、クラウドの成長鈍化を相殺するのに十分すぎるほど第3四半期の予想を上回っており、第4四半期に向けて加速している」
「クラウド事業のためにアルファベット株を所有することは、マイケル・ジョーダンが野球をすることを応援するようなものだ」と彼は付け加えた。
アルファベットの株価急落に対して、10月25日にマイクロソフト(Microsoft)の株価が2.8%以上上昇した。マイクロソフトは24日に第3四半期の好決算を発表し、アルファベット同様、売上高と一株当たり利益が予想を上回った。
しかし重要なのは、マイクロソフトのインテリジェント・クラウド部門の売上高が243億ドルに達し、ウォール街の予想235億ドルを上回ったことだ。ハーグリーブス・ランズダウン(Hargreaves Lansdown)のアナリスト、ソフィー・ランド-イェーツ(Sophie Lund-Yates)は、マイクロソフトのAI事業がすでに成果を上げていることの表れだと述べた。
「ハードウェアやそれに付随するソフトウェアに金をつぎ込む人が減っている。これは経済の車輪が勢いを失っていることを示す典型的な症状だ」とランド-イェーツは述べた。
「マイクロソフトはその不足を補うクラウドを持っている」