アティフ・アフザル氏は映画音楽の作曲家兼シンガーソングライターで、副業として不動産投資を行っている。
Courtesy of Atif Afzal
アティフ・アフザル(Atif Afzal)氏が不動産投資を始めた目的は、キャッシュフローを生み出すことだった。
フリーランスの映画音楽作曲家兼シンガーソングライターとしての彼の月収は不安定なものだった。生活の安定を図るため、彼は第二の収入源を求めて不動産投資を始めたのだ。
最初の住宅を購入するのは簡単ではなかった。移民である彼は、渡米した当時は当然クレジットヒストリーはゼロで、住宅ローンの審査に通らなかった。しかし、アフザル氏は4年足らずで4物件のポートフォリオを組むことに成功し、当初の目標以上の成果を上げることができた。Insiderは、彼の税務書類や契約書を調べ、不動産の所有権と家賃収入を確認した。
アフザル氏は、長期的な入居者に貸している3つの物件(4軒目には彼自身が住んでいる)で、基本的な生活をすべてまかなえるだけの家賃収入を得ている。
「(不動産収入で)経済的な自由を得ることができました。基本的な支払いや請求書の心配をする必要はありません。結果、自分の音楽を追求することだけに注力できています」
諸経費を抑えながら家賃が高騰している地域に投資したおかげで、アフザル氏は多くの収益を手にすることができている。彼のキャッシュフローは家賃収入がかなりの割合を占めているという。
アフザル氏が、キャッシュフローを最大化し、経済的自立を実現するために役立った3つの戦略を教えてくれた。
1. 自ら物件を管理する
アフザル氏は、不動産管理会社にお金を払うよりも、ポートフォリオ物件を自ら管理できるように、自分も住める地域に戦略的に投資した。
物件探しを始めた当初、彼はニューヨーク市から北に約50km離れたニューヨーク州サファーンに妹家族と住んでいた。最終的に、彼はニューヨーク市にも近いモンローに住居を購入し、他の3つの物件も同じ地域で購入した。
「不動産管理会社が取る手数料は8〜10%というところです。何か問題が起きれば、彼らはその分を追加で請求してきます。だったら自分でやったほうがいい」
アフザル氏の試算では、自分で管理することで月700ドル(約9万5000円、1ドル=135円換算)の節約になる。
電気技師、配管工など、問題が起きたときにすぐに頼めるチームを作るのには時間がかかったが、物件の状態がよければ、自分で管理する必要があるのは「ごくわずか」だと彼は気づいた。
彼が物件を探すときは「メンテナンスの必要があまりない、問題のない物件」を求めるという。そして購入後はすぐにリノベーションや改修を加え、将来の頭痛の種を取り除く。
「物件を購入するときはいつも、後で困ることがないように、できる限り良い状態にしたいと思っています」
2. 質の高い入居者を、時間をかけて探す
新規に物件を購入した場合も、入居者が退去した場合も、その穴を埋める際には「決して急いで貸すことはしません」とアフザル氏は言う。
「それよりも大切なのは、絶対的な安全性と経済的な健全性を兼ね備えた適切な入居者を見つけることです」
アフザル氏は、フリーランスとしての収入を補うために不動産投資を始めた。
Courtesy of Atif Afzal
入居者を適切に選ぶことで、家賃を滞納する人や立ち退き勧告といった悩みの種を抱えずに済む。これらの問題の対処には少なくない費用がかかることもある。
入居希望者を審査する際、彼はクレジットスコアや職歴を調べる。もしその希望者が以前にも住居を借りたことがある場合は、前の家主に連絡を取り、支払いがきちんと行われたか、物件を綺麗に使用したかを尋ねるという。
3. 全額現金で購入する
アフザル氏は、最初の物件を現金で購入した。住宅ローンが組めなかったので仕方なくそうしたのだが、もし余裕があれば、将来の投資でもまたそうしたいと考えている。
住宅ローンの支払いがないということは、家賃収入のほぼすべてを懐に入れられるということだ。彼は、最初に買った家を出て、2番目に買った家(頭金20%で融資を受けた)に引っ越した際にそれを学んだ。
「固定資産税やホームオーナーアソシエーション(HOA)の管理費も支払っていたので、100%のキャッシュフローではありませんでした」と彼は言うが、支払っていたのはそれのみだった。実際にはその物件は、圧倒的にキャッシュフローがよかったと彼は付け加えた。
「そのうち、もっと多くの物件を現金で買えるようになりたいんです」と語る彼によれば、現金で購入するメリットはキャッシュフロー以外にもある。
「最大のメリットは、売り手と交渉しやすい立場になり、自分が取引をコントロールできるということです。売り手は現金での取引を好みますから」
また、現金での取引は時間効率もいいという。
「売り手が必要とするのは資金の証明だけです。保証会社の審査や承認も必要ありません」
全額現金で行った取引は3週間で完了したという。
※この記事は2023年4月21日初出です。