glafitの鳴海禎造社長(左)とOpenStreet工藤智彰社長(右)
撮影:杉本健太郎
電動マイクロモビリティベンチャーのglafitと国内最大規模のシェアモビリティ事業者OpenStreetは26日、特定小型原動機付自転車を発表した。ハードウェアを手掛けるglafitとソフトウェアを手掛けるOpenStreetが共同開発した。開催中の「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」で実機展示をしている。
市場投入は、2024年1月から。OpenStreetの手掛けるシェアリングサービス「HELLO CYCLING」で利用が可能となる。2輪タイプ特定原付のシェアリングは国内初だという。
発表された新たな特定原付。
撮影:杉本健太郎
前面。
撮影:杉本健太郎
「HELLO CYCLING」のステーションは全国に7000箇所あるが、まずは首都圏から順次拡大し、年に3000台規模の投入を目指す。利用者は自転車と特定原付の双方から選べるようになるが、特定原付のほうが「15分200円の料金で使えるようにする予定」(OpenStreet工藤智彰社長)と自転車より価格を高くする予定。
背面。
撮影:杉本健太郎
また、同年中に車両の一般販売も予定している。価格や詳細な時期は未定だが、「これまで発売してきた車両に類似するような価格帯を目指す」とglafitの鳴海禎造社長は話した。
歩道も車道も走行が可能に
特定原付区分の説明。
撮影:杉本健太郎
特定原付は2023年7月1日に道路交通法で新たに位置づけられた区分。一般の原付と違い、運転免許証が不要で16歳以上なら運転できることが特徴だ。
免許返納後の移動手段としてもアピールする。
撮影:杉本健太郎
今回、2社が発表した新たなモビリティは20キロ以下のモードと6キロ以下のモードを切り替えられる仕様で、モードに応じて歩道と車道、それぞれの走行が可能となる。
免許が不要なことから、glafitの鳴海社長は「インバウンドや様々な方へのシェアリングを通じての提供が拡大されると見込まれる」と話す。
「免許なしシェア電動バイク」を実機試乗してみると……
出典:OpenStreet
実際に特定原付を試乗した30代男性のAさんにその乗り心地について聞いた。Aさんはふだん車、バイク、電動自転車を利用している。
特定原付に試乗する利用者。
撮影:杉本健太郎
—— 乗り心地は?
「自転車にかなり近い形でなおかつ足の負担が全くないので、すごく乗りやすいです」
—— どんなシーンで使えそう?
「自転車に代わるとも思いますし、あとは観光地なんかでちょっと足が欲しい時にちょい乗りみたいな形で乗れるといいですね。免許を持ってない方でも乗れるのでハードルも低そう」
—— 購入の可能性はある?
「アウトドアやキャンプが好きなんですが、車にこれを積んでおけばキャンプ先でバイクをレンタルしなくてもすみそうです。そういう意味で買ってもいいのかなと思いました」
私も試乗したが、最大速度20キロのモードでは一気に自転車のトップスピードなみの速度まで加速し、その間全く負担がないので、最初は少し怖さを感じた。自転車ではだんだんと加速していくが、その過程がないため慣れが必要だ。
一方、歩道も走行できる最大速度6キロのモードは、かなりゆったりとしている。ごく一般的な乗り物の感覚では、正直なところ「遅い」。
6キロモードは、やむをえず歩道を走る際に使うためのものだと割り切って、基本は車道を走るのが良さそうだ。