14歳の少年、がん治療に役立つ石けんを開発して賞金2万5000ドルを獲得

3Mのコンペティションで優勝したヒーマン・ベケレと、彼のメンターとして3Mに任命されたデボラ・イザベル(Deborah Isabelle)。

3Mのコンペティションで優勝したヒーマン・ベケレと、彼のメンターとして任命されたデボラ・イザベル(Deborah Isabelle)。

3M

  • 中学生のヒーマン・ベケレは、3Mの2023年度ヤング・サイエンティスト・チャレンジで優勝した。
  • 彼は、皮膚がんの治療に役立つ費用対効果の高い石けんを発明し、2万5000ドルを獲得した。
  • この石鹸は、身体の免疫反応を活性化させることで効果を発揮するというものだ。

バージニア州の中学生であるヒーマン・ベケレ(14)の課外活動は、科学フェア、コンピューター・サイエンス、ガン治療などに取り組むことだ。

彼は、皮膚がんの治療に使える石けんを発明し、化学・電気素材メーカー3Mが主催する2023年度の「3Mヤング・サイエンティスト・チャレンジ」で優勝し、2万5000ドル(約370万円)の賞金を獲得した。

この賞金でベケレはアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得て石けんを市場に出し、年間8000人近くのアメリカ人が命を落としている皮膚がんの安価な治療法として提供したいとInsiderに語っている。

さらに、できるだけ多くの人々を助けるために、非営利での活動を拡大するという野望もある。彼は、がんに焦点を当てるだけでなく、DNAや電気工学などにも研究の幅を広げることを楽しみにしている。

腫瘍学はほぼチェックしたので、新たなことを学べる分野を探している」と彼は言う。

石鹸はどう機能するのか?

ベケレが開発した皮膚がん治療のための石鹸。

ベケレが開発した皮膚がん治療のための石鹸。

3M

医師が皮膚がんを治療する方法のひとつは、がん細胞に対する自然な免疫反応を活性化させることだ。

ベケレの石けんはその理論に基づき、身体の防御機能を活性化させようとしている。

この石けんには免疫系を刺激する成分が含まれており、使用すると皮膚の免疫細胞が復活し、皮膚がんの一種であるメラノーマに対抗できるようになるのだ。

この理論は他の皮膚がんの治療法としても実証されており、その中で最も一般的なものとして、尖圭コンジローマの治療用に作られた外用クリームがある。

なぜ必要とされているのか

審査員の前で発明についてプレゼンテーションを行うベケレ。

審査員の前で発明についてプレゼンテーションを行うベケレ。

3M

ベケレがコンペティションに向けてさまざまなトピックについて調べていたとき、皮膚がんは治療可能な病気であるにもかかわらず、多くの人々が治療を受ける余裕がないことに思い当たった。

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