池袋に「アニメ東京ステーション」がオープン。インバウド需要を狙う「初回展示はNARUTO」

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撮影:荒幡温子

サブカルチャーの聖地・池袋にアニメ文化の発信地が誕生した。

10月31日(火)よりオープンしたのは、アニメ東京ステーション、通称「アニメ東京」。

日本のアニメ史を飾る貴重なアーカイブや、開館記念で開催されるNARUTOの展覧会にも注目だ。

東京都とアニメ業界が手がける新拠点

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池袋駅東口から歩いて5分、電車モニュメントが目印のビルにアニメ東京はある。

地下1階から地上2階までの3フロアがあり、総面積は1300平方メートルだ。1階の吹き抜け空間にある、アニメキャラや名シーンがシャンデリアのように連なるモニュメントが示すように、世代やプロダクションを超えた“ジャパニーズアニメ”の発信拠点こそが、この施設の役割となっている。

手がけるのは、東京都と、有名プロダクションが数多く登録する一般社団法人日本動画協会。

この後紹介するような一般向けの展示以外にも、有識者を交えた研究会や一般向けのワークショップ・トークショーも実施される予定だ。

「観光・産業・文化、それに伴う人材育成にもフォーカスしていきたい(日本動画協会関係者)」

歴史的アーカイブも

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地下1階は、アニメーションの制作工程を追いながら、設定資料などのアーカイブを鑑賞できるスペースだ。

現在は、アニメ「鉄腕アトム」の企画書、絵コンテ、キャラクター設定などが展示されている。

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ガラスの向こう側の資料室のような空間は、鉄腕アトム以外にも各プロダクションから寄託された貴重なアーカイブが並ぶ。かつてアニメ制作で主流だったセル画も、徹底した温度・湿度管理で保管されているという。

「有名なキャラクターデザインや人気の作画監督が担当したものなど、1990年代から2000年代前半の約120作品のアーカイブがあります(日本動画協会関係者)」

初回はNARUTOの展覧会を開催

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アニメ放送20周年を記念して、懐かしのオープニング曲とともに映像が流れる。

企画展示スペースとなる2階では、アニメ「NARUTO-ナルト-」の展覧会が2024年1月まで開催される。

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フィギュアや11月16日に発売のゲーム「NARUTO X BORUTO ナルティメットストームコネクションズ」のお試しプレイや、サスケやナルトの必殺技を体験できる「忍術体験コーナー」と、体験コンテンツも充実している。

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ショップにはアニメグッズも販売されているが、展覧会の実施作品以外にもさまざまな作品のグッズが置かれているのが新鮮だ。

入場は無料、事前予約なども不要だ。

狙うはインバウンド需要

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東京都が「観光資源のキラーコンテンツ」と見るアニメだが、ここアニメ東京もインバウンド需要を見据えた観光スポットとして手がけたという。初回の展示作品にNARUTOが選ばれたのも、海外ファンが多いことが理由だと話す。

NARUTOの展覧会では、英語や中国語の説明もいくつか見られ、体験コンテンツでは英語・中国語・韓国語に対応していた。

ミュージアムのような大きな施設ではないため、海外言語対応スタッフはいないというが、ポケトークなどで随時対応していくと、インバウンド対応の姿勢も見せる。

「聖地巡礼という言葉もあるように、海外の方にアニメを体験するために東京に来てもらう—— そんなきっかけにしてもらいたいという思いで立ち上げました。今後は海外向けのサービスやコンテンツも増やしていく予定です(東京都の担当者)」

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