ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガー(右)。
Getty
- ウォーレン・バフェットの日本株への投資は、最小限のリスクで大勝利を収める貴重なチャンスだったとチャーリー・マンガーは語っている。
- バークシャー・ハサウェイは日本の0.5%の金利で資金を借り、利回り5%の株に投資した。
- 「神様が金庫を開けて、そこにお金を注ぎ込んでくれたようなものだ」とマンガーは語った。
バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)CEOがパンデミックの最中に行った日本株への突然の投資は、実質的にリスクゼロで大金を手にする千載一遇のチャンスだったと、同社のチャーリー・マンガー(Charlie Munger)副会長は言う。
バークシャーは2020年夏、日本の商社5社の株式を取得し、その評価額は合計60億ドル相当に上った。アップル(Apple)やコカ・コーラ(Coca-Cola)といったアメリカ企業を好むことで有名なバフェットとそのチームが、このような賭けを行ったことは注目に値する。バフェットの右腕であるマンガーは、このチャンスには逆らえなかったという。
「ウォーレン・バフェットほど頭が切れるなら、100年に2、3回、あのようなアイデアを思いつくだろう」と彼は2023年10月30日に公開されたAcquired podcastのインタビューで語っている。
「日本の金利は10年にわたって年0.5%だ。また、日本の商社は土台のしっかりとした古い会社であり、安い銅山やゴムのプランテーションを保有しているので、10年先までの資金を借りて、株を買うことができた。これらの株は5%の配当金があるため、何も考えなくても莫大な現金が流れ込んでくる」
つまり、バークシャーは投資に必要な資金をかなり安く調達し、その資金を年5%程度の配当が確実に支払われる株式に注ぎ込むことができたのだ。2022年春以降、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)がインフレの暴走を抑えようと金利を実質ゼロから5%以上に引き上げた今、いわゆるキャリートレードはひときわ賢い選択に見える。
魅力的な条件で資金を借りられるのは、バークシャーの信用格付けが高いからだとして、マンガーは「我々だからできることであり、他の誰にもできない」と述べた。
バークシャーは、日本の商社5社への出資比率を、2020年8月の約5%から、2023年4月には約7.4%にまで引き上げた。ここまで引き上げるには長い時間がかかったとマンガーは強調した。
「利益を手に入れる唯一の方法は、とにかく忍耐強く、一度に少しずつ回収することだ。100億ドルを投資するのには時間がかかったが、神様が金庫を開けて、そこにお金を注ぎ込んでくれたようなものだ。あまりにも簡単に稼ぐことができた」