「裕福」に引退した人に共通する、分かりやすい3つの特徴

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裕福な退職者がみんなやっていることとは?

Tempura/Getty Images

  • 従業員給付研究所(EBRI)は2021年、2000人の退職者のなかから「裕福」グループの共通点を調べたところ、重要な経済的成果を特定できた。
  • その特徴は、これから退職するアメリカ人の経済目標とも一致することがわかった。
  • それは、住宅ローンを完済する、借金がない、32万ドル以上の貯金の3つだ。

2021年に発表されたレポートで、従業員給付研究所(EBRI)の退職保障研究センターは2000人の退職者を「平均」「快適」「苦労」「なんとかぎりぎり」「裕福」の5つのグループに分けた。この調査は資産が100万ドル(約1億5000万円)以下の62歳から75歳までの退職者世帯のみを対象にしている。

この調査において、「裕福」グループの共通点を調べたところ、重要な経済的成果を特定できたという。それは、あらゆる種類の要因に応じて、人にとっては他の人よりも達成が難しいかもしれないものだ。たとえば、現役時代の負債や収入レベル、世代間における貧富の差、アメリカ国内における生活費の違いなど、多くの要素が影響する。

しかしながら、「裕福」グループに分類された人々の特徴が、いつかリタイアすることを夢みている多くのアメリカ人に共通する経済目標と一致していることもわかった。この「裕福」グループが達成したことと、それらを自分の退職プランで実践する方法をここで紹介しよう。

1. 住宅ローンを完済する

調査によると、「裕福」グループの人々のほとんどには持ち家があって、住宅ローンを完済していた。

住宅ローンの返済を終えると、出費が一気に減り、退職後用の貯蓄を大きく増やせる。支払うのが固定資産税と維持費だけでよくなれば、退職後の住宅費用に苦労することもない。

住宅ローンを完済することが自分にとっても正しいことだと思うのなら、返済期間がどれぐらい残っているのか、退職する前にその額を投資したらどれほどの利益を得られるかを検討してみよう。

加えて、お金とは関係のない点についても考えてみよう。完済する余裕があって、そうすることで退職後の生活に安心感が得られるのであれば、そうする価値は大いにあるだろう。

2. 借金がない

この調査では、最も一般的な消費者負債であるクレジットカードと自動車ローンの負債を抱えている比率が最も低かったのは「裕福」グループだった。

EBRIの調査では、裕福な退職者の5人に1人だけが自動車ローンとクレジットカードの負債を抱えている。これは「平均」グループに比べてかなり少ない。平均的な退職者では、クレジットカードの負債がある人も、自動車ローンを抱えている人も、およそ2人に1人だった。

消費者負債をなくすことは、退職後の計画に大きな違いをもたらす。負債をなくせば、毎月の支出が減るだけでなく、貯蓄も増える。

自分もクレジットカードの負債と自動車ローンを返済すべきだと思うのなら、まずは退職するまでの期間を考えてみよう。まだ数年あるのなら、雪だるま式や雪崩式と呼ばれる、額や金利に応じて借金に優先順位を付ける方法を利用すれば、短期間で返済できるだろう。

3. 32万ドル以上の貯金

EBRIの「裕福」グループの退職者は、退職後の生活のために32万ドル(約4800万円)以上を貯金していた。ただし、必要な貯金額は人それぞれだ。

65歳以上のアメリカ人で、退職後のために貯金をしている人の401(k)の平均残高は25万5151ドル(約3800万円)だ。しかしながら、平均的な退職者には、25万ドルでは足りない。2023年のノースウェスタン・ミューチュアル社の調査によると、余生を快適に過ごすには127万ドル(約1億9200万円)が必要になる。

老後にはこれだけ必要、という決まった額は存在しない。ライフスタイルや収入を得る方法などによって左右される。しかし、自分にとって必要な額を計算する方法は存在する。

最も有名な方法は、退職後に毎年貯金の4%を切り崩すことを前提としているため、4%ルールと呼ばれている。このルールを用いるのなら、希望する退職後の年間生活費に25を掛けることで、必要な額が算出できる。それで得られた数字が、これぐらいあれば快適に余生を暮らせるというおおよその目安になる。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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