WeWork、破産申請…約7兆円が消し飛んだが、ベンチャーキャピタルは懲りていない【更新】

WeWorkの創業者、アダム・ニューマン。

WeWorkの創業者、アダム・ニューマン。

Michael Kovac/Getty Images for WeWork

  • WeWorkは11月6日、連邦破産法第11条の適用を申請した。
  • ソフトバンクなど大手ベンチャーキャピタルが支援するWeWorkの評価額は、470億ドルに上ったこともあった。
  • ベンチャーキャピタルはWeWorkの破綻から何も学んでいない。

WeWorkはもはや機能していない。同社が飛ぶ鳥を落とす勢いのスタートアップだった頃に支援したベンチャーキャピタル(VC)は、その惨状から何も学んでいない。

シェアオフィス大手のWeWorkは11月6日(現地時間)、日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。先週、早ければ2023年11月上旬に適用を申請する可能性があると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じていた。当時、「憶測についてはコメントしない」とWeWorkの広報担当者はInsiderに語っていた。

すでに苦境に陥っているWeWorkの株は、8月にニューヨーク証券取引所から上場廃止となり、11月1日には評価額は約6000万ドル(約90億円)に落ち込んでいた。

破天荒さでメディアを賑わせた創業者アダム・ニューマン(Adam Neumann)の追放を招き、悲惨な結果に終わったIPO(新規上場)申請前の評価額は470億ドルだった。4年間で469億4000万ドル(約7兆円)もの価値が、風に吹かれた砂の彫刻のように消えていったことになる。

2021年、WeWorkの運命は一時的に好転するかに見えた。ビベック・ラナディベ(Vivek Ranadivé)による白紙委任の特別買収目的会社(SPAC)、BowXに買収されたのだ。ラナディベはソフトウェア会社Tibcoの創業者であり、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズやサクラメント・キングスの元オーナーとして知られる。当時のWeWorkの評価額は90億ドルだったとCNBCが報じている

しかし、WeWorkは2022年後半に40店舗を閉鎖、2023年には負債を抱え込み、足場を固めることができなかった。春の債務再編では、約15億ドルの負債を削減し、他の債券の期日を延長して現金を保持しようとしたとロイター通信が報じている。

10月、WeWorkは利払いを一部滞納した。10月5日には格付け会社のフィッチ(Fitch)が「(WeWorkの)高い資金燃焼率は2023年まで続くと予想され、それを改善して債務不履行を回避できるようになるのかどうかは不透明だ」と警告した。

評価額が470億ドルだったスタートアップがこれほど急激に凋落した場合、ダメージを受けるのは投資家だ。今回のケースでは、ソフトバンクが圧倒的に被害を受けた。同社のビジョン・ファンド(Vision Fund)は2023年初頭、WeWorkの筆頭株主だった。ソフトバンクはここ数年、WeWorkやその他の不手際の件で大きな痛手を負っている

他のVCも今年初めにはリスクに曝されていたが、最近になって株式を売却したのかもしれない。そうだとしても、株価はすでに大きく下落していた。

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