ニコル・カーター氏(左)とナディア・カーター氏(右)。
Photo courtesy of Nicole and Nadia Carter
- 双子の姉妹ナディア・カーター氏とニコル・カーター氏は、それぞれ35歳と33歳の時にリタイアした。
- そのために、働いている間に給与の75%を貯蓄に回し、住居費を低く抑えた。
- また、FIREが自分に向いているかどうかを確かめるために、完全にリタイアする前に実際にミニリタイアをしてみたという。
ナディア・カーター氏とニコル・カーター氏は、30代でコンサルタント業を引退した。ブログ「ウェルス・ツインズ(Wealth Twins)」を運営するこの双子の姉妹は、ニコル氏が33歳、ナディア氏が35歳の時に、2年差で完全にリタイアしている。FIREしてからナディア氏は8年以上、ニコル氏は10年以上経ったが、2人ともまだニューヨーク市に住んでいる。
FIREを先延ばしにせず、早く達成したい人に向けて、2人は3つのヒントを贈ってくれた。
1. 初めにミニリタイアをする
早期退職と聞くと素晴らしいことに思えるかもしれないが、誰にでも向いているわけではない。
早期退職が自分に合っているかどうかを見極めるために、2人は試しに「ミニリタイア」をしてみた。日常生活や金銭面で、自分がこれからどんな生活に足を踏み入れようとしているのかを認識できるように、それぞれ数カ月間仕事を休んだのだ。
ニコル氏が最初に仕事を辞めたのはビジネススクールを卒業する時で、その間は貯蓄で生活費を賄った。ナディア氏の方は試しに長期休暇を取ってみた。雇用主にサバティカル休暇(長期勤労者に対して理由に関係なく与えられる長期休暇)を申し出てOKをもらい、6カ月休暇を取った後に復職したと、ナディア氏はInsiderの取材に対して語った。
こうしたミニリタイアを実践すれば、「自分にもFIREできる」ことがわかり、自信を深めるのに効果的である。リタイアに必要な資金など、すべての数字が機能することを実際に確認できるからだと、ニコル氏は言う。
「6カ月という期間は、自分がきちんと把握していない支出がないかを確認するのに最適な期間だ。それに、精神的な準備にもなる。それまでは毎日変わらず仕事をしていたが、それ以降は毎日やることを計画しなくてはならないライフスタイルとなるのだから」
ナディア氏もその言葉に頷く。「6カ月のミニリタイアのおかげで、FIREに向けた資金計画がうまくいくことが分かった。FIREしたい人には、もしこうしたミニリタイアという選択肢があるなら、ぜひ勧めたい」
2. できるだけ多く投資に回した
ナディア氏とニコル氏は早期退職に向けて十分な貯蓄をするために、給料の約75%を貯蓄と投資に回したと言う。
それができたのは、収入が増えても生活費を一定に抑えて、給与の増加に伴い陥りがちな、生活費をどんどん増やしてしまう「ライフスタイル・クリープ」を回避したからだ。こうして2人は給与の残りを貯蓄と投資に回した。
「2人とも初任給で暮らすような生活を送ったが、それが貯蓄をするうえで一番役に立った。給料が上がっていても支出を増やすことを考える必要がなかったので、ひたすら貯蓄に回していた」
ニコル氏には、予算を立てて、その予算を常に監視することが、より多く貯蓄するというミッションを達成する上で役立った。ニコル氏の戦略は、毎月の取引を注意深く見直すというものだった。たまに自分の支出を見直して「もっと貯蓄できないか」と自問するのだ。それは貯蓄を増やすのに本当に役立ったとニコル氏は言う。
3. 住居費を低く抑える
ナディア氏の方は、初めから収益創出戦略を活用して生活費を抑え、不労所得を生み出し、安心して生活した。つまり、ニューヨーク市にアパートを購入して、自分はその1部屋に住み、他の部屋を賃貸に出したのだ。これはハウス・ハッキングと呼ばれる戦略だ。
「もし職を失っても住宅ローンの心配をする必要がない場所をどうやったら見つけられるか自問した。真っ先に頭に浮かんだのが、アパートを購入することだった」とナディア氏は言う。
最終的に出た答えがハウス・ハッキングだった。「ハウス・ハッキングは早期退職を計画しているならば最善策の1つだ。自分はタダで住むことができて、お金はすべて貯蓄に回せるのだから」