クラファンで8億円、国立科学博物館「運営の危機」の要因。「失われた30年」で消えたものとは

篠田館長

国立科学博物館の篠田謙一館長。Business Insider Japanの単独インタビューに応じた。

撮影:猪野航大

『クラウドファンディングで資金を集めれば良い』という話になるのを危惧しています

国立科学博物館の篠田謙一館長は、「地球の宝を守れ」を合言葉に8月からスタートした科博のクラウドファンディングについてこう語る。期限となる11月5日23時を前にすでに8億4000万円以上の資金が集まる大成功となったクラウドファンディングだが、本当に重要になるのはクラファンの後だ。

篠田館長のインタビュー後編では、クラウドファンディングを実施することになった国立科学博物館のそもそもの「お金事情」や、日本で寄付金が集まりにくい要因。そして、大きな話題となったクラウドファンディングの「答え合わせ」のタイミングについて話を聞いた。

科博に「金がない」原因は?

国立科学博物館

国立科学博物館。

撮影:三ツ村崇志

—— クラウドファンディングで集まった金額は非常に大きい一方で、科博の年間予算(2023年度:約35億円)を考えるとそれで全てが解決するような規模でもありません。そもそも、科博の資金不足は何が原因だったのでしょうか?

今回の資金不足は特殊事情が重なった結果です。3つのマイナス要因がありました。

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