話を聞いたインテリアデザイナーによると、白を基調としたミニマルなキッチンは流行遅れのひとつだという。
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- Insiderは4人のインテリアデザイナーに、2023年に彼らが見た最悪のインテリアのトレンドを聞いた。
- これまで人気だったグレーの色調は、明るいヌードカラー等の合わせやすい色に取って替わられている。
- ミニマルなキッチン、インダストリアルな照明から、温かみのあるデザインのものへとトレンドは移り変わっているという。
セクショナルソファはすべての空間に適してはいない
セクショナルソファは快適だが、リビングルームによっては大きすぎることもある。
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セレーナ・ルイス・デザイン(Selena Lewis Designs)のオーナー、セレーナ・ルイスによると、セクショナルソファは素晴らしい家具だが、すべてのリビングルームやベースメント(地下室)に適しているとは限らないという。
大きなソファは部屋に圧迫感を与えやすく、実際の見た目よりも座る場所の選択肢が少なくなってしまう。
「私のクライアントの多くは、応接のためにセクショナルソファが必要だと考えている。だがソファの組み合わせを考えてみても、会話には向かない」とルイスはInsiderに語った。
「私はソファをひとつかふたつと、予備の椅子を用意するようにクライアントには勧めている」
グレートーンの流行にサヨナラを
グレーのインテリアは一時期ブームとなったが、デザイナーたちは過去のものにしつつある。
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グレートーンのインテリアは何年もの間人気を得ていたが、ルイスによると、そろそろこの色からシフトする時期に来ているという。
「家の中をグレーで揃えてしまうと、他の色をミックスするのが非常に難しくなる。ネイビーやブラックをアクセントカラーとして使うことにも行き詰まってしまうだろう」
ペイントカラーを選ぶ場合は、家具選びがしやすく、アクセントカラーを加えやすい、明るめのヌードカラーを使うことをルイスは提案している。
オープンよりも仕切られた間取りが人気の傾向に
リビング、ダイニングを大きなひとつの空間にまとめることは現在はあまり人気がない。
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JDエリート・インテリア(JD Elite Interiors)のリード・インテリアデザイナーで、ホーム・ストラトスフィア(Home Stratosphere)にも所属するキーリー・スミス(Keely Smith)によると、オープンプランの人気は根強いものの、今は機能的なゾーニングの重要性が認識されつつあるという。
「明確な目的もない広いスペースを作るのではなく、インテリアをゾーンに分け、それぞれが特定の機能に特化したものになっている」と彼女はInsiderに語った。
彼女によると、ゾーン分けすることによって、スペースをより有効に活用でき、各エリアに目的意識が生まれるという。
過度にコーディネートされたインテリアの人気は薄れつつある
部屋のアクセント色をすべてそろえる必要はない。
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スミスによると、協調しすぎるインテリアも的外れになりつつあるという。
各要素が協調していればそのインテリアは確かに魅力的だが、あまりにも整理され過ぎたインテリアは本物ではないように感じてしまうこともある。
「個人の好みやストーリーを反映した折衷的なインテリアは、より本物らしく、心に響くように思える」と彼女はInsiderに語った。
「クラッターコア」からクリーンで整理されたインテリアに流行は移ってきている
マキシマリズムなスタイルは少し衰え始めている。
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居心地の良さを求めるマキシマリズムの流行により、自分の家を色や柄、小物で埋め尽くす「ドーパミン」デコを取り入れた人もいた。
しかし、カイコ・デザイン・インテリア(Kaiko Design Interiors)のインテリアデザイナー、ニコラス・カイコ(Nicholas Kaiko)によると、それは部屋を快適な空間にするのではなく、雑然とした雰囲気にしてしまうという。
このような失敗を避けるために、このデザイナーは、装飾品を選ぶ際に、より厳しい目を持って選ぶことを提案している。
派手なゴールドは流行遅れになりつつある
家のインテリアでゴールドを使うのは控え目に。
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「ゴールドのアクセントは時代を超越しているが、過剰に使うと空間を派手に見せてしまうこともある」とカイコはInsiderに話す。
ゴールドを空間に取り入れるとしても、特に落ち着いたトーンの部屋では控えめに使おう。
ミッドセンチュリー家具は時代遅れになり始めた
近年、ミッドセンチュリーの家具がちまたにあふれかえっている。
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多くの人に愛されているる「ミッドセンチュリーモダン」スタイルも、自由に使いすぎると時代遅れに感じられることがあると、インテリアデザイナーでアーサイト(Arsight)の創設者、アーテム・クロポヴィンスキー(Artem Kropovinsky)は言う。
人気のトレンドに爽やかなひねりを加えるためには、ミッドセンチュリーデザインにインスパイアされたアイテムと、他のデザインにインスパイアされたアイテムとを合わせることをクロポヴィンスキーは提案している。
アート作品を飾りすぎると部屋への流れがなくなってしまう
ギャラリーのように壁を装飾することは人気だが、家の流れを台無しにする可能性がある。
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ルイスによると、アート作品を飾り過ぎてしまうと、視覚的に負担をかけすぎ、部屋から部屋への流れを妨げてしまうことが多い。
「私自身も空間をデザインするときにアート作品を選ぶのは好きだが、すべての壁に飾る必要はない」とデザイナーはInsiderに語った。
彼女はその代わり、質感や柄をより取り入れられる楽しい壁紙を選ぶか、壁の一部を真っ白にすることを提案している。
ミニマルなキッチンは、温みのある家庭的な美しいものに変わりつつある
一時期流行した真っ白なキッチン。
一時期流行した真っ白なキッチン。
スミスによると、かつて主流だった冷たくて光沢のあるミニマルなキッチンは消えつつあり、より温かみのある家庭的な美しさが好まれるようになっているという。
「木製のキャビネット、質感のあるバックスプラッシュなどの個性的なテイストは、今やキッチンをより魅力的なものにしている」とデザイナーはInsiderに語った。
ごちゃごちゃしたオープンラックはもういらない
キッチンに物を収納するには、オープンシェルフよりも良い方法がある。
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クロポヴィンスキーによると、キッチンでお気に入りのアイテムを見せるのは楽しいが、オープンシェルフがあると、人は物を容易に詰め込んでしまうという。
ごちゃごちゃしたものを隠し、秩序を保つためには、扉付きのキャビネットを検討すればいいと彼は言う。
手入れされていない植物はワイルドすぎる印象になる
ジャングル部屋を作るより、数個の主張のある観葉植物を置く方が手入れも簡単だ。
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「植物は空間に生命を吹き込むものだが、部屋を鬱蒼と茂る森に変えてしまうのは乱暴な選択だ」とカイコはInsiderに語った。
その代わり、存在感のある観葉植物をいくつか取り入れ、自然からインスピレーションを得たインテリアとの組み合わせを検討しよう。
冷たい印象を与えるインダストリアル照明は、より暖かく親しみやすいものに変わりつつある
インダストリアルな照明は最近流行のミニマリストのトレンドに合うが、合わせるのが厳しい場合もある。
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クロポヴィンスキーによると、インダストリアルな照明は確かに流行に敏感な大胆なチョイスだが、自分たちと遠い存在に感じやすいという。
「ソフトで温かみのある照明を選ぶと、より居心地のいい雰囲気を作り出せる」と彼はInsiderに語った。
うるさいパターンの天井は全盛期を迎えた
天井にペンキを塗るのはちょっとした流行だった。
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カイコによると、当時天井にネオン塗料や攻撃的な模様を使うのが流行したという。だがこのトレンドは、時として部屋の美しさを覆い隠してしまうものだった。
質感のある天井、空間を支配するようなパターンを選ばず、むしろ引き立てるような穏やかなパターンを選ぶべきだとこのデザイナーは話している。
大げさなテーマのある部屋は手に負えない
バスルームを海のようにする必要はない。
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2023年は大胆なデザインをいくつか見てきたが、あまり好きではなかったとカイコはInsiderに話している。
「宇宙の旅から深い海の冒険まで、いくつかの部屋は、家というより映画のセットのようだった」
家の中の空間を圧迫しないように、お気に入りのテーマの要素はあくまでもさりげなく取り入れるのがいいだろう。